火曜日, 2月 13, 2018

2018年3冊目(296)

空の旅を科学する 単行本(ソフトカバー)
伊藤恵理 (著)
河出書房新社 (2016/9/2)

車の自動運転が将来実現するかと言われている昨今。車の事故がこの自動運転でどれだけ改善されるか分からないけど、自動車事故よりも圧倒的に低い確率でオートパイロット(自動操縦)がなされている所がある。



何十人から数百人を乗せて地に足をつかず飛んでいる飛行物体にこれが安定飛行時とはいえ適応されている事実をもっと感動したいと思ったのでした。

筆者の興味(研究)対象への関わりとともに航空管制というシステムが分かっていきます。
「空は1つ」が筆者のモットーなのですが、ここにイントロ的に使った飛行機と自動車の間るある決定的な違いが反映されている気がします。

いち研究者として海外との繋がりなど僕自身が思う部分とオーバーラップしたり。
空港や飛行機が好きな僕としては食い気味で読んでしまいました。あーー、旅に出たい。
次回から機長が話す説明をしっかり聞きたいと思います。
キャプテン!!ビールを飲みながらですがちゃんと聞いてますさかいに。。。

金曜日, 2月 09, 2018

2018年2冊目(295)

CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見 単行本
ジェニファー・ダウドナ (著),‎ サミュエル・スターンバーグ (著),‎ 櫻井 祐子  (翻訳)
文藝春秋 (2017/10/4)

物事が急に大きく進むこと。
些細なきっかけがとんでもない広がりを見せること。

そんなX軸とY軸の両方が同時に起きた出来事。それがこのクリスパーという技術がここまで大きくなった背景だと思う。

さらに言えばZ軸の初期には人との繋がりや作業を遂行できる人材の存在など人間ドラマのような偶然の出来事があります。こういったストーリーも成功体験の話にはつきものです。

ただ今回の件でZ軸が果たした大きな役割はその技術を世界中の研究者が容易に試せることと医学系分野での永遠の命題「病気の治癒に応用できる」という二つによってブーストしたんだと思います。

あの不動産王が大統領になったように。
youtubeによって世界中の人が知る人になったOO太郎の動画のように。
ほんのわずかな期間に自分が予期しないことに関わってしまっている。生命倫理という重い課題についてのコンセンサスを定めるという。

バタフライ効果を生む最初の羽の運動をバタフライ自身はきっと意識してないと思う。
でも自分が見つけた研究成果が生んだ大きな課題を発見者自身がどこまで責任をもって取り組めるのか。その部分を強く感じ共感し果たして自分もそうなったとき出来るのかと。

クリスパーという技術が分かる以上にそれがどれだけのインパクトがある事かを筆者の葛藤やアクションから読者は読み取ることが出来るんじゃないか。
第七章の核兵器の轍は踏まないに込められたメッセージはとても示唆に富みます。
両者とも物理学者と生化学者が知的好奇心と自然科学の謎に取り組んだ結果だから。

自分も生化学者だけに個人的に最近下びな生化学の力を自分の色んな経験を踏まえ再確認しました。将来どんな発見に関わるか分からないけど最後まで責任を感じる研究者でありたいと。

さて自分のXYZ軸。うーーん気持ちは4次元。spaceXいまどんな気持ちか教えてくれ!!