日曜日, 12月 28, 2014

読んだ本・その45(187)

外食2.0 (ideaink 〈アイデアインク〉) 単行本
君島 佐和子 (著)
朝日出版社 (2012/11/17)

「2.0」の持つ意味。読み進めていくうちに輪郭が見えてきます。3つのキーワードが根幹をなしていると思います。

1) ライフスタイルにおける食の存在
2) SNSなどによる評価経済学
3) おいしさとは何かとう食育

個人個人の食に対する向き合い方(スローフードやベジタリアンなど)と店を経営するする側・作る側の食に対するそれ、例えば価格帯や提供する料理のスタイルによる「お食事処」の変化(レストラン、バルやビストロといった)のそれぞれの分析と相互作用が1。

宣伝と言う方法が写真でweb上にアップすることや食べログと言ったサイトで評価される現代。昔なら雑誌やテレビなどのメディア(専門性を持った人のフィルター)を通じてマスに発信していたことが、個人ベースで出来てしまう現代への考察としての2。

最後の3は作る側・食べる側が味というものをどのように捉えるか・感じるか・表現するか。そこには知識やサイエンス・ケミストリーと言った要素が入り込むという点でこれはある意味で学習・教育の側面を持っている。

食べるという行為は生命を維持するうえで必須であるが上に、上記の事など関係なく「腹を満たす」ことで十分という考え方も存在します。
ここには文化や地域性、そして貧富、そう格差やレイヤーと言うものを避けては語れないと思います。前者の意識的なモノと後者の物理的なモノ。これらの交差と化学反応によって食は多様で文化という側面を帯びるんでしょうね。

僕自身は前者と後者の境目に浸かっているような気がします。そして住んでる場所柄それを意識できるのかも知れませんが。立ち止まって広義の食を考えるのには最適な本だと思います。

さて今日は何を食べようか。。。ビールそれは飲み物です!!!

火曜日, 12月 23, 2014

読んだ本・その43(186)

近大マグロの奇跡: 完全養殖成功への32年 (新潮文庫) 文庫 – 2013/11/28
林 宏樹 (著)
新潮社 (2013/11/28)

ドキュメンタリー。プロジェクトXやカンブリア宮殿的とでも言ってしまえば安い安い話になります。
でも現実に生物学をやる立場として感動しました。そして羨望をもってこの本を読後眺めました

書内に出てくるフレーズ。この成功は「私学」だから、「私学」が主導したから、といった下り。理念や予算とかこの数年の基礎研究の大きな議論にダーツの矢を投げたような。これが示す意味は重いですね。

アウトプットとしてはマグロをおいしく食べれると言った食文化ワイワイと言った話ではなく、食糧安全保障の話であるという事。資源枯渇や国際ルールに伴う規制。その中で安全に安定的に海産資源を確保するか。農業や畜産といった技術との対比なるかもしれません。なぜ魚なのか?立ち止まって考えるのにとてもいい機会を与えてくれるでしょう。

そして、GMO(gene modified organism: 遺伝子組み換え)に関しても考える事象も出てきます。完全養殖魚を海に放つこと。人工交雑によって2つの種のいいところ備えた種の生産(これは米の栽培にでも応用されている技術)。さらに選抜育種と言う手法(同じ個体種内でのセレクション)。これらは人為的(人工交雑や選抜育種は最終的に個体自身の生殖活動によって増える)な分子生物学ではなく経験則的な側面があって、これらによって過去僕たち人間も多様性を獲得してきた事実でもあります。
それと相対する遺伝子組み換え。遺伝子の交換と言った側面は両者に共通する事項である。その事実を踏まえてどこまでの人が厳密な“遺伝子組み換え”に対しての嫌悪感をあらにしているのか。

GMOの花粉の伝播やそれを食す昆虫類と言った問題から言えば、管理出来る範囲とその範囲外と言う意味では農業の方が圧倒的に不利でしょう。でも「分子生物学的」な組み換えと「ある側面で自然発生的に起こりうるものを「人工・人為的」に自然交配に任せて行った」組み換え(はい、説明が長いのは知ってる!)の時の問題のレベルはどうなの??

きっと大きな議論は起きていて僕自身完全にフォローできていない確証はあります。でもそれすら混同してしまっている方たちには、考えるきっかけを与える良書としか僕にはおもえません。
米・肉・魚そして野菜。もう一度何をもって天然・安全と言ったことを考えてみませんか?

この本もまた帰国時に訪れたい場所を与えてくれました。いつか、僕のサイエンスも人に感動を与える機会がやってこればと思います。
知ってます。それを意識てるようじゃ一生無理なのも。。。
知らぬが仏。ちょっと違うか!?。。。

読んだ本・その42(185)

伊良部秀輝 (PHP新書) 新書 
団 野村  (著)
PHP研究所 (2013/2/17)

その道を極めるとはどいうことなのか?この問いを受けて目が向くのは極めた先なのではないでしょうか。でもその道筋の苦悩。そして極めた先が現実に明確に存在するのか?

伊良部選手と聞いてどういったイメージを皆さんは抱くのでしょうか?
僕は阪神時代のいろいろな話やyoutubeで彼の野球理論と言うものに接していたので、この本で書かれている伊良部選手の素顔と言うのにはすっと馴染めました。というか、ここ最近やしきたかじんさんやサッカー・我那覇選手の本を読んだ為かまたかと思ってしまったの事実です。

逆になぜそこまでターゲットになったのか?イチロー選手ほどグーの音が出ないほどの成績ではなかったのは大きいのかもしれないですね。それらを踏まえて、現在のサッカーの香川選手や本田選手の報道なんてそんなものと見るのがいいのかもしれませんね。

表面的な評判はさておき、伊良部選手の野球に対する情熱を目の当たりにして感じたことが一つあります。厳密には2人の例を知ってしまったと言うのが事実です。
それは、明確な答えが存在しにくい道を追求することは自分との消耗戦を性格によっては強いられ、結果として鬱といった深みにはまってしまう可能性が高いのではということです。

故・桂枝雀さんのことを色々見たり聞いたり調べたりと言う時間がここ数日あってから、この伊良部選手の本を読んだのでした。そして残念ながらお二方とも自殺と言う結末を迎えてしまった事
実。

研究と言う仕事も遠からず近からずこの種の職であり、それを導くのは科学的真ということへの議論となるのからでしょう。野球とはピッチングとは。芸とは話術とは笑わせるとは。
表と裏(報道上とヒトとして)の伊良部選手を知れてよかったです。

2003年の日本シリーズ・阪神vsダイエーの第六戦。甲子園球場へパブリックビューイングに出かけた僕。誰もが先発ムーアと予想したなか伊良部選手が先発。今でも球場のどよめきを覚えています。ある人はかなりの剣幕だったのを鮮明に覚えている。
でもなぜか僕は第二戦でKOされた伊良部選手を優勝のかかるこの試合に先発させた星野監督の心意気だろうと勝手に解釈し、感動したのを覚えています。前述している、その後に知った伊良部選手の素顔的なモノ。

人を知る、人に知ってもらう、生きると言う旅には語ってくれる友と話せる友が必要なのでしょうか。そんな友を見つけることが目的の旅になっていけない訳で。

うーーーん。。。もう一杯!!

伊良部選手ありがとう!ヒデキは僕の中では松井でも西城でもなく伊良部です!

読んだ本・その41(184)

東京最後の異界 鶯谷 単行本
本橋 信宏 (著)
宝島社 (2013/12/13)

現代の男女の性や現代の風俗と言った各レイヤーによって切り取られた鶯谷は、歴史的な土地の流れと言う軸が刺さり文化や時代背景と言った飾りによって、その界隈の空気感を読者に伝えてきます。

欲望渦巻く街。この欲望は男性のものと連想した人は残念ながら浅はかと言えるかもしれません。女性側にも存在する欲望に目を背けた時点でこの本はノベル・フィクションになるでしょう。男性が欲望と言えば性的なモノが浮かびますが、女性に対してこれを投げると男性とは違った色を帯びるのではないでしょうか。

だからこそこの鶯谷と言う異界が存在がしうるのでしょう。

人間模様は以前ここでも書いた名前のない女たちに似ています。街としては同じく前出の色町の飛田の話との比較になるのでしょうか(吉原への玄関と言う意味でも)。

かと思えば、文化人の愛した街であり(正岡子規や林家三平)名店と言われるような老舗の店や料亭があり、下町としての風情もある。

本の中でも出てくるが大阪の西成・通天閣周辺といった描写に妙に腑に落ちた自分がいたのでした。

街の空気感とは何によって醸成されるのだろうか?流れと滞留という項があった。流れてもダメかけど、動かないのもだめ。そのバランス。
うーーん。都市計画とかはこのようなものも踏まえて設定するのならなんとも創造的な仕事だと思う。でも実際の思惑といがう形(そもそもそんな学術を語ることが野暮なのかもしれない)で存在する今の形の鶯谷は面白いですね。帰国時に寄りたい場所が増えました。

えっ!?何しに!?社会勉強ですよ。。。

金曜日, 12月 19, 2014

読んだ本・その40(183)

女子会2.0 単行本(ソフトカバー)
「ジレンマ+」編集部 (編集)
NHK出版 (2013/5/23)

タイトルから連想した本のイメージとは全く違います(僕の予想・男子の予想・世間の予想がどれぐらい相補的かは不明ですが。。。)。

内容は女性の社会進出や結婚・出産といったものを座談会参加者の皮膚感覚・統計・調査や社会の趨勢と言ったモノからひも解いてます。

この女性が置かれた現状と生き方。これらは男性とのそれらとの相対的変化と制度など絶対的変化の兼ね合いから見えてきます。。。

などと書いてきましたが、僕がここで感じたことは実はこの現在の女性が辿る道を男子がこれから歩という現実です。
ここでいう男子は日本男子。

グローバルとロボットなどによって割を食う男子。
女性の悩みは将来男子が直面する悩みとして見るべきでしょう。
じゃー、その時女性は?
男子とフラットになってむしろアクティブに生きていると思います。

そう、この本は男子が自己を見つめ認識しどうするべきかを思案するべき書と僕は認識しました。
男性の地位なんてそれが地位と思っている男子にしか存在しないんですよ。
相対的な地位に胡坐をかく。
相対性と絶対的な自己との葛藤の時ですかね。

この本。面白いです。
そして、今こうして女子を観察したくなる@ 行きつけの飲み屋。。。
キモイ!!

木曜日, 12月 18, 2014

止まっていた時間

有朋自遠方来、不亦楽乎。

孔子の言葉で論語に収められています。

時間が止まったら。あの時に戻れたら。
この世界の中で生きる以上は避けて通れない連続する時間。

その時間。

それは心の中・脳の中・身体の中で止まって存在するのだと感じた。

最初の一文の通り友人が遊びに来てくれました。4年ぶり。でもアメリカ生活が長い分がっちりシェアした時間的には9年とかぶりかな。

卒業式でみんなで発した、
「走馬灯のように甦ってきます!」
来ました!

同じような経験は高3の同期と飲んだ時にも起きます。

脳内に浮かぶあの当時の絵と声。

濃い人間関係とか言うのかな。
でもそれは本当に偶然の出会いでも僕には残っている。

それを踏まえて感じたこと。
自分の思い入れとかインパクトとか。濃さ深さ重さ楽しさ、時に悲しさ。
それはしっかり記憶されいつでもその時の臨場感を伴って帰ってくる。

それをシェア出来た人がそこに居たなら。
それを想起させる機会を作ってくれたなら。

僕も作る側に立てたらいいなぁー。

この34年の臨場感。ありがとう。そして、その先の臨場感。

ワクワクでいくぜ!!!

読んだ本・その39(182)

魚料理のサイエンス (新潮文庫) 文庫 – 2013/12/24
成瀬 宇平  (著)
新潮社 (2013/12/24)

50種類以上の魚に関する知識が詰まってます。タイトルにサイエンスとあるように、科学的な栄養素の考察もふんだんにちらばめられており読むと魚を食したくなります。

自分の研究対象であるタンパク質の含有量と味の相関。なるほど!と何度も付箋を貼りつけました。
生態から調理法まで。如何に日本の魚食文化が深遠かを知ることができます。

ここから、敢えて問題提起とまではいきませんが自己を主張したと思います。
これだけの生態系を保持する海の偉大さ。そして、その棲み分けに侵食し多幸感を得る人間を罪に感じました。
なぜ?
それはベジタリアンという敢えていう種の人たちが居るからです。
僕は彼らを否定する気は全くありません。でもなぜその決断をしたのだろうという部分に興味があります。

可哀想。

植物も土から抜かれたら死に向かいます。
声を発しない植物。

肉はダメでも魚介類は良しとするタイプの人もいるようです。

家畜としてに肉類。可哀想。でもすでに述べたように、多様に且つ棲み分けた水の中を犯す人間は自分たちの管理に基づいた家畜と罪の重さはどう違うの?

食も連鎖のヒエラルキーで自分の力でエネルギーを生産できない人間に生まれた以上、何人もその罪を無意識に背負う。
それに尊さを持ち生を全うする。
だからこそ得られたものを味わう。
食文化。

だから敢えて。なぜあなたは食生活の制限を選んだのかを聞きたいのです。
善や悪でなく。どんな耐久性を備えた軸に沿っているのか。

何も誤りではないし価値観の多様性もあります。
だからこそ、浅はかではなくツッコミどころ満載でない意思でやってほしい。

それをこれを読んで思いました。
魚を食する尊さを感じたいと思ったから。

昨日食べたすしはとても美味しかった。母なる海よありがとう!
今日飲むビールはとても美味い。母なる大地よありがとう!

水曜日, 12月 03, 2014

エネルギー

小さいときに耳に残っている曲。音楽。リズム。
なんか心躍る旋律。ワクワクした感情。
その音に沿って思い出される思い出。

今それらをどんなモノで誰が歌って購入可能でアルバムにしていつでも聴ける。

感慨深い!!!なんかやる気でます!!!
当たり前でなかったからね。

小学生から高校生までスマホを持ちインターネット駆使する世代は20年いや10年後に何をもって過去との接点で感動するのかな。
それを想像するという大きな宿題を授かった気がします。
だから、その音源聞いてテンション上げよう!!

いや。。。遅いから寝ろよ。。。