火曜日, 1月 02, 2024

2024年 1 冊目 (384)

日本の結界 陰陽師が明かす秘密の地図帳 単行本
安倍成道 (著)
駒草出版; 四六版 (2018/8/10)

2023年の12月に一時帰国の機会を得ましてその際に熊野本宮大社へ参詣してきました。
大阪から特急くろしおに乗って揺られること4時間以上で和歌山県・新宮へ。新大阪-東京が新幹線で約2時間半なので、まさに陸の孤島。新宮駅から更にバスで揺られ約1時間半。
正直よくもまぁこんな山奥に。しかしそれだけその場所や由来に意味があるんだろうとも。
天候にも恵まれ非常に有意義なお参りになりました。

そしてふと以前に何かで目にしアマゾンの欲しい物リストに入れていたこの本を思い出し購入しました。書かれてる内容を信じる信じないは個人の自由です。僕はポジティブに捉えています。どうしてこのようなところに社がなど、現在に続く意味を地形や歴史などを踏まえて考えるよい機会をもらえたと思っています。ある意味で本当によく出来ている - 先人の偉大さを感じます。

そして大河ドラマ「どうする家康」と関連する内容もあったりこの本もとても良い時期に手にできたなと縁を感じています。ラッキーすぎる!

次回の一時帰国の際もどこか訪れたいと思っています。日本国内、魅力的な場所がたくさんありますね!

日曜日, 11月 12, 2023

2023年 13-4 冊目 (382-3)

偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか Kindle版
マリオ リヴィオ (著), 千葉 敏生 (翻訳)
早川書房 (2015/1/25)

宇宙から帰ってきた日本人 日本人宇宙飛行士全12人の証言 (文春e-book) Kindle版
稲泉 連 (著)
文藝春秋 (2019/11/13)

道への遭遇ではないですが、万人の想像を超える発見や経験とは何なのか?

「偉大なる失敗」では今では教科書に載っている科学的事象がどのように発見され、現在に至る過程ででその発見にまつわる失敗があったのか - 実際には失敗と言うより議論・意見の相違・こだわりと言った部類で人生を失うような失敗ではなく科学における必要な回り道・余談的な興味深い話、それを偉大なる失敗と素敵な表現した本です。

大学生・院生(高校生もいけるかな)が中途半端な勉強をするよりこの本をしっかり読み込む方が科学的思考を学ぶ上で有益じゃないかなと思うぐらい、僕も勉強になりました。やっぱり背景やそれにまつわるエピソードは面白いですね。

それを踏まえると、一見全く違う毛色の宇宙飛行士の本。いや、僕には本質的には同じ毛色の本でした。今現在進行系で起きている宇宙という未知への挑戦。たった12人の日本人しか実際に味わったことのない宇宙という存在。それへの理解・解釈。100年後ここで書かれている話は「偉大なる失敗」の1つにカウントされるかもしれない。

人間の未知への営みを地続きなものとして繋げてくれた2冊の本でした。Kindleで読んだのですが実際の紙の本を手元に置きたいと思える出会いに感謝です。

僕の科学の営みも人に興味を抱かせる素材になれるのか。。。知らんがな!まぁ、頑張りなはれ!

日曜日, 9月 17, 2023

2023年 12 冊目 (381)

孤闘 三浦瑠麗裁判1345日 (幻冬舎単行本) Kindle版
幻冬舎 (2023/6/21)
2023/6/21

僕自身が裁判とはまだ無縁な人生なので、どういったものなのか・どのようなプロセスを経るのかに関してとても勉強になりました。

と、ここまでが言えば建前っす。以前に三浦さんの本を読んだ際「僕が持っていた三浦瑠璃さんへの「?」の大部分は解決しました」と書きました。大部分という訳で、根本的には水と油なのかなと思ったりしてました。そして、機会があるとしたらお話してみたいとも思っていました。
https://yoshi0604.blogspot.com/2020/12/2020-8-9-351-352.html

そしてこの本を読んで、もちろん裁判での戦略のために不本意にも選んだ答弁の作成なのかもしれませんがそれだとしても、改めて「きっと話が合わない人なんだろうな」と僕は思いました。

宮崎哲弥さんが始めたYouTubeにゲストで出演した際に、彼女の運営するシンクタンクや彼女が参画している(いた)政府の会議での彼女の役割を聞く機会に恵まれてなるほどなとまた「?」が解決したところだったので、すこし残念に思いました。もったいない・損するひとやなーって(誰が言うとるねんのツッコミは受け入れます)

今を生きるうえで今までの経験と環境の大事さを僕自身は最近感じていたのですが、立ち止まってまた深く考えることになりました。

そして阪神タイガースの優勝から更にその確信を深めました、若い時って大事だと。。。
以前の感想でも書きましたが今後もフォローしていきたいです。

水曜日, 8月 23, 2023

2023年 10-11 冊目 (379-80)

 三流シェフ 単行本
三國 清三 (著)
幻冬舎 (2022/12/14)

熟達論―人はいつまでも学び、成長できる― Kindle版
為末大 (著) 
新潮社 (2023/7/13)

「おこがましいけど同じ匂いのする方だなー」三流シェフ読書中の僕の感想です。
数年前のテレビドラマ・グランメゾン東京。好きである一定期間を経るとまた観たくなり何度も観ています。読書中のもう一つの感想、三國さんがこのドラマのモデルじゃないと僕には思えてなりませんでした。

野球漫画ドカベンは神奈川県予選や甲子園での試合に注目が行きがちですが、僕には話の初期の方が印象に残っています。中学卒業後に就職する予定だった山田太郎が高校に進む。ここの時代背景がすっぽり抜け落ちている。これが高校卒業後の就職になり、今では大学に行くのが当たり前になっている。ほんの数十年前で描写される環境が全く違う。この違いは都市部と地方という切り口を入れると更に深くなる。

三國さんの出身地・北海道増毛。そして進学に関する時代背景。この2つがこのドラマのような人生の背景にあることは抜け落ちてはいけないなと。そう、あの時代・あの環境であの人間性をもった三國さんだから。そこに人との出会いがあり。本人の負けん気や才覚などなどが化学反応を起こしたのです。自己研鑽は現代に通じますが、早い時期から現場で働きながら腕を磨くという現実を今の時代にどのように当てはめるか。この点が読みながら考えました。

そういった点で、為末さんの熟達論はこの自己研鑽の部分においての具体的な方法論になるのかなって。この順序で手に取れた奇跡に感謝したいです。
自分自身のスキルアップの手助けにもなりますが、実は教える側の意識という面でこの本はもっと本領を発揮するのではと感じてます。
僕が現在含めお世話になっている指導者側の方々はなんとも上手に僕を導いてくださっているように思います。たまたまなのか意図的なのかは本人に確認しないとわかりませんが、確実に言えるのはマッチングの妙は重要だと思います。

三國さんの本でも出てきますが、上の立場の人が下の人の芽を摘むことなく枯らさず腐敗させずに大きくすることは簡単ではないはずです。それをできるボスとそれに答える当事者。
2つの本を読みながら理想のチームを構築したい僕の夢は叶うのか。。。???まだまだ修業が必要です。

そして最後に、熟達論はまるで仏教の話のように僕には感じてとても深く追求すべき問だなーって。是非機会があったら為末さんとお話してみたいです。
もちろん三國さんとも、いやまずは三國さんのフレンチを体感してみたい。ビールを控えて金ためな、といいつつ頼むこの一杯。だめだこりゃ!


火曜日, 7月 25, 2023

2023年 9 冊目 (378)

のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか 単行本
フランク・ローズ (著), 島内哲朗 (翻訳)
フィルムアート社 (2012/12/25)

この本出版から10年たった今読んでも十分に刺激的な本でした。
主にアメリカが舞台となって書かれていますが日本では日本特有の状況をもって似たストーリーが存在していたかもしれません(ある意味で日本特有なものがあったり)。

この本をみて改めてバットマンシリーズを見返し、新たなバットマンシリーズ第一作のエンディングを観てゾクゾクしました。10年後の今だからある程度の知識や経験を持って読めてる(理解できてる)部分が僕にはあると思います。というのもアマゾンの履歴によると僕がこの本を購入したのは2016/12/15だそうで。読もう読もうと本を見つつ開いては閉じ、この6月にようやく読みのが現実。やっぱり本は読み終えるタイミングに意味のあるのかと痛感してます。

当時のメディア・ネット・SNSの状況でさえこれだけ様々な創り手側の意図が介在していたなんて当時の僕は全く知る由もなくここまで過ごしてきました。知らなくても過ごせるとう言うのは、取り込まれていた(いる)部分もあるということ。そうなるとAI・AR・VR・5Gにスマホなど現在のメディアの景色を眺めるとどうやら現在進行中でさらに取り込まれているんだろうなと。ここで面白いのはこの本で紹介されているのは万人が必ずしもハマるのではなく、一部の人が熱狂的に波を起こすということ。しかも設計側が思ったように進んだというのは稀であるということをこの本から学べます。これはAIがどれだけヒトに近づくかのように、ヒトへの理解がいかに困難である証左では。

研究の世界も何が当たるかなんて予測できない。要は今を生きるしか無いのですが、今をハックしようとする人・しかも悪意をもって接近してくる場合を避けるためにこのようなカラクリを知るのは有益なのではと思いました(常にアップデート必須ですが)。内幕は内の中の人しかしらないのが常として、少し遅れでもこういう情報を拾えるアンテナは張っておきたいなと。

僕のサイエンスの内幕。せっせとアウトプットとインプットに励まな今のままでは不安でしゃーない。


火曜日, 6月 27, 2023

視覚的雑味と文字的純度

 沈黙のパレードを観ました。今回の視聴の前に、原作は2回読みました。

原作のすべてを約二時間ほどの時間に詰め込むには無理があります。なので、原作の期待を持っての視聴は全体的に薄味に感じてしまいます。しかし、原作での読書体験で得られる単眼的なストーリーと違って、映像においては非常に多くの無駄・不要を含んだ多くの複眼的な情報として濃い時間として過ぎてゆきます。

原作を読んだ上で観たために文章の持つ濃密さと映像の持つ奥行きを体感しました。もし映画を先に観て本を読んだらどうなっていたのかなって。

ただ、過去いつも原作が先になるケースが多いので(でも、無理に逆を作る必要もないし)。

僕の仕事で言ううなら論文と学会等でのプレゼンテーション。7月に自分がこの状況に巻き込まれるので、今回の経験を踏まえてよい作品を世に出したいです!!

がんばれーーー!

日曜日, 6月 18, 2023

2023年 8 冊目 (377)

ためいき坂 くちぶえ坂―松鶴と弟子たちのドガチャガ 単行本
笑福亭 松枝 (著)
浪速社; 改訂版 (2011/7/1)

敬愛してやまなかった上岡龍太郎さんの訃報を目にする前日、いつものようにハードディスク内のパペポを適当に選びそれを効果音にしながら作業をしていた。その選んだ回はこの本の初版(僕が手にできたのは増版されたもの)に際し本の面白さの紹介を兼ねて鶴瓶さんが上岡さんに朗読を促したのでした。

上岡節で語られるその一節は一瞬で僕を引き込みこの本を手にして読んでみたいと思わせるほどの力を持ち、さすが上岡龍太郎と思ったのでした。

近日中に日本からこちらに発送する荷物にタイミングよく詰めれるのでそそくさとアマゾンで発注して眠りについたのでした。そしてふと目覚めたタイミング、部屋の暗さからまだまだ寝れる。そんな時はテクノロジーにアクセスせず再度眠りに向かうのですが、無意識にふとメールを開くとおかんからメールが。

「えっ!?」

僕がパペポ好きで龍太郎師匠が好きなことを知っていたので教えてくれたのでした、あなたのすきなあの語り部はもうこのにいないだと。



故人を偲びその思い出と存在をこの世に残すという大きな価値をこの本に感じました。6代目・松鶴師匠という個性とそこに集った弟子たち。一昔前の出来事でその一昔の残りで育った僕だからこの本をケタケタ笑い・しんみり感傷的になれるのかなって。今のZ世代はこの本をどう思うのかはある意味の好奇の種かなって。

そして落語の名跡を継ぐという過程の難しさ - 如何せん「松鶴」という個性と存在。それは代替の要素が無いほど各弟子に染み渡った唯一無二な関係性。それを踏まえた上での7代目襲名にかんする一部の話が綴られます。そうか、残すべき事実とは。


僕も師匠と言えるボスが二人います。「系統は同じやけど血統は違う」が最適な表現でしょうか。僕は二人の影響を受けて育ってます。だけど、引き継ぎつつ己の個性をでやっていけるか五里霧中な現実。筆者の松枝さんは僕は一番良い時期に松鶴師匠の門下に入ったのだと感じました。鶴瓶師匠はその「よい時期の最後っ屁」の最高傑作。僕も良い時期の二人のボスにオーバーラップして関われた稀有な存在。

サバイブします!ありがとう、龍太郎師匠!
あっ、これ松鶴師匠の本やった。。。すんまへん!