金曜日, 7月 31, 2015

水を含んだ砂上の楼閣

海岸を歩いている。浜に向かうほど足場はしっかりとしてくる。足にまとわり付く砂。数時間後、そのねっとりとした砂は乾き手によって払い落とされ、元々存在していたところからかけ離れた空間で過ごすことになる。

僕の住んでいるところは今とても人気で全米だけでなく日本を含めた世界から人が流入している。
それぞれの地区ごとに個性があり、それをベースとしてアパートの建設やレストランの入れ代わりなど競争が日に日に激化しているのを感じる。平行して確実に地価が上がっているのも皮膚感覚で分かる。

さて、それに伴って気になることが。最近とみに閉じられた店のスペースに次の入り手が見つかってない場所を見かける。アツイなどと言われているエリアでさえ。これに僕は恐れを抱く。

人気エリアだからクオリティーなど落とせばあっという間に評判が広がり閑古鳥。
上げた品質を下手に価格に反映させても、マーケティングとターゲティングを見誤ると閑古鳥。
そこに、店のレベル云々ではなく高額な家賃がのしかかる。
うまく経営できないが故の撤退。たとえ、良い店でも。
資金を持った良いクオリティーの店なんてそうそう出てくるものではないだろう。

ポートランドはここのジレンマを乗り越えないと弾けると踏んでいる。あと2年ぐらいかななんて予想したり!?
この都市に愛着があるが故に、空きテナントの脅威を畏れている。

住みやすさとはだれにとってなのか?哲学のような問いが10年過ごしたポートランドの人目の付かないところで頭を擡げている。
擡げすぎてこの週末はクソ暑いようだ。。。それは関係ない!!

水曜日, 7月 22, 2015

30冊目2015(216)

藤子不二雄論: FとAの方程式
米沢 嘉博 (著)
河出書房新社 (2014/3/6)

物心ついた頃の金曜日の食卓の記憶。リモコンのないレトロテレビがまだ幅を利かせていた時代の時から現在まで。水戸黄門ほどの型はなくとも安定感と言う名の印籠をお腹に張り付いたポケットに忍ばせるハットリ君。。。ではなく、ドラえもん。

僕はこのドラえもんを起点とした藤子不二雄をしか知らなかったわけで。

この本を手に取って人に歴史ありと言うか、ドラえもんが立っている地面の下で眠っている作品群の深さに正直驚嘆しかありませんでした。

作品は時代と読者と共に歳をとる。僕が藤子作品と歩んだ時間のスケールはあまりも小さく、僕よりも上の世代の方が思い入れが入ってる漫画家さんなのだと。
果たして、そんな話を両親を含め上の世代から聞いたことが無なっかた。聞かなかった僕もいるのでなんと言えない部分はあるが。言われてみれば白黒の怪物くんを観た記憶もあれば、僕が目にしたタッチとは少し違った”古さ”や”時代感”を纏った漫画のQ太郎・ハットリ君・パーマンを見た記憶も。
そう、売れたのが言うてしまえば最近なのだと。ある意味で、この売れ方との元々の読者のギャップが無知の原因だったのではと、ポジティブに考えてしまう。

FさんとAさん。アップルやグーグルの例にもれず、2人ペアなのだ。
そしてライバルであり戦友の存在が赤塚不二夫、石ノ森章太郎、つのだじろうと言った面々。でもって、師は手塚治虫。

お笑いの世界やサイエンスの世界でこの手の環境を基に弾けた分子を思い浮かべることできるので、ある種の方程式に容易に興味が進んでしまう。この本が僕にとっての面白味なのはその点かもしれない。

テレビと雑誌の需要。特に小学X生といった媒体。そこからコロコロコミックと言った流れ。時代性はあるけど、漫画と言う方法論にこだわった藤子不二雄・両氏に尊敬を。
ストーリーと絵の妙。ストーリだけでも大変だし、絵・画だけでも大変。そこにギャグや時代性を反映させ。SF的要素を混ぜたり。

器用貧乏の極地なのかもなんて。もちろん売れてはいたと思う。でもドラえもんと言う極の前を見る限りは、ある意味自由度のある好きなことをできる人生だったのかなって。
最大の贅沢が創作という。

だからこそ、ライバルや環境や師匠や時代性など。
僕の今は何なのか。そしてどう”したい”かなって。

風通しの良い生き方。良いとか悪いとかでない。通気性やフェアとか。
表現と想像の自由度を抱えて漂流したいですね。

この気持ち、お笑い漫画道場にでも通って極めるか。。。いや、でも笑点の大喜利も捨てがたい。。。
チャラーー、Yoshi OUT... いや、ホンマちょっとほくそ笑んだだけですやん。。。

火曜日, 7月 21, 2015

29冊目2015(215)

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ 単行本
吉川 浩満  (著)
朝日出版社 (2014/10/25)

進化が理不尽!?そんなアホな!

もしそれをアホとみるなら、僕たちはアホの上に成り立っています。

ふざけるな!進化とは。。。なんて聞こえてきそうですが、よく詳細を踏まえると進化と言う言葉の「後光の影響」がどれだけ僕たちを「レトリック」と「トリック」の狭間のブラックホールに誘導してるかを垣間見れます。

進化。それは進歩であり成長である。進む変化。字面をとるならそうです。その通り。
恐竜が絶滅したのは隕石が。。。そして寒冷化で。。。よく耳にする通説です。
さて、そこで「字面の進化」で生き延びた恐竜は居たのか。聞こえてきそうですが、そんな危機的状況で進化なんて。では、進化は何のために、何を見据えて起こるのか?

危機的状況で生き延びれた種。理不尽に耐えた種が「進化」のチケットを手に入れることが出来るのです。そもそも生き残った種は自分の”進化”などを意識することは毛頭ないのではないでしょうか。この前提から、ダーウィンの進化論や自然淘汰説のバックグラウンドを丁寧に紐解き当時の論争を辿っていきます。

最初の数章からここに入ると概念から詳細にシフトし小学校の歴史の教科書が高校生のそれに化けたように細かい部分を見ることになります。でも、そこが大事な気が僕にはします。

何か新しい事を始めるといううのはそういうことであり、当事者からみてはるか先に評価されるという事実が多く存在するから。そこに、頑なにこだわった一人の科学者。その頑なこそ理不尽であり、その理不尽さがまるで進化の象徴のようでした。
筋、頑固、譲れないとか、周りにもいたり自分もそんな面がある事にはあったり(僕は確実にその系統の人間ですが。。。)。でも、そのこだわりが学会や国や世界を動かすことに出会って、それを貫徹できるか?筆者にはこの物語の深さを感じたのでは。僕はそう感じてなりませんでした。

科学者として、根本として人間として。理不尽への向き合い方。
うまく生きるべきではあるが、うまく生きるとは何か。
理不尽には屈したくないが、戦うことは人生に何をもたらすのか。
理不尽な進化の上に生きる人間。その理不尽を受け止めてこれからまた起きるであろう次回の理不尽に思いを馳せてみませんか!?

僕の人生は理不尽な酒。いや、酒が理不尽なのだ。
酒を一切飲めなくなったら。。。スーパーサイヤ人になれるかも!?
こら、僕は自然に消滅だわさ。

28冊目2015(214)

渋滞学 (新潮選書) 単行本 
西成 活裕 (著)
新潮社 (2006/9/21)

現状には必ず理由がある。まさにこれを見せてもらった気がします。そして、大事な点はもう一つ。サイエンスは身近に存在するという事。

渋滞学。車の渋滞に関する話から始まりますが、行列を渋滞ととらえたり、遅いインターネット、飛行機や電車の遅延だってある意味で渋滞です。そして、人で溢れ返った状況で起きる事故は渋滞が原因となってるともいえるでしょう。

頼んだビールが来ない!なぜ?ガラガラの店内と超満員の中では後者は忙しいからと思うのが普通でしょう。その時、「結構店員さん居るのになぁー」と思ったとき。どこかに理由がある。そう捉えて観察する。そして「あいつ、仕事せんとずっとしゃべってるやんけ!あいつのせいや!」それを改善するためには。。。そう、こういった事をサイエンティフィック説明してくれているのです。これを踏まえてもらえると最初に述べた「サイエンスは身近に存在する」という言葉が現実味を帯びてくれると思います。

混むという原因。渋滞の理由。物理的に理由を付加することが出来る場合とそうは問屋が卸さない場合。人間の存在。現象に行動学や心理学が絡む。動物に当てはめるとケミストリーを踏まえての行動学になる、とくに昆虫など。インターネットに関してはテクノロジーとプログラムの妙。解は一つに求めれないんですね。それを思い描ける想像力を駆使して思いにふける。人間に与えられた特権。人間の営みの素敵さと愚かさからなる学問「渋滞学」ですね。

ハブ空港とかサーバーとかインターチェンジとか。集まること。地方とか一本道とか限定品とか。制限されるところ。便利と不便のエアポケット。渋滞学。面白かったです!

反面、僕たちの行動、とくに便利さ(当たり前に色んなものが時間通りに・頼んらすぐに・ボタンを押したらすぐに視界に現れてくれる。(多少の遅れはあったとしても。。。))を感じる場面ではこれらの学問のアウトプットで意識しないうちにその恩恵を享受していることを忘れてはいけないことを付け加えておきたいです。

さて、今研究しているプロジェクトに当てはめるべきなんですが、僕の頭が渋滞です。解消にビール。。。より問題を複雑化させているような。。。

金曜日, 7月 10, 2015

よゆう!余裕!?Yo, You!?予油!?

暑い日々が続くこの頃。友人と入った日本食店。メニューを眺め「あ!」と漏れる。

Cold Ramen

とある。ナイス!!このしばらく続く熱波に店も策を練ったのだろう。
即決オーダー。

しばしビールをすすり待つ。出てきたラーメン。確かにCold Ramenだ。。。けど!!



「冷やし中華」と翻訳した己のミス!
説明にあった具材だけ確認してスープの詳細を見落としていた己のミス。

いやはや、予断なのか油断なのか。翻訳と思い込みの妙です。
言語の奥深さを体感したのでした。

サブイわー。スープが!?

火曜日, 7月 07, 2015

鬼の首を取ったものの果たして鬼の首なのか

近日中に投稿しようとは思っていますが記録として。

W杯後、佐々木監督への風当たり厳しくないですか?なでしこジャパンの内輪的なもの(ネガティブっぽいもの)多くないですか?

敗軍の将だからそうなのかもしれないですが、準優勝ですよ。
ボロ負けしたから。なら結果が1-2での敗北とかPKでのことだったら同じように出てたのかなって。

そういったものはもちろん然るべき形で評価・判断されるべきだとは思います。

ただ、伝える側がなんか息巻いているようにしか僕には感じられません。
日本に到着するのは今日だと思いますが、これから出てくるかもしれない当事者の声にもっと耳を傾けたいです。

あえて、同じことはマクドナルドなどにも当てはまると思うので近日中に書きたいと思います。
約束しちゃったよー。

日曜日, 7月 05, 2015

非日常への招待状

どぅばつぃん!!!

と耳元ででっかい音が。サッカーの試合中走ってくる相手を止めに行こうとした時の出来事です。
その走ってきた相手におもいっきり足を蹴飛ばされたと思って振り向いた背中越し。無人のフィールド。
なんじゃこりゃ!?と走り出そうとした瞬間に駆け抜ける激痛。

走れねーよ!!

過去に色々と怪我はしてきました。でも今回「これはちょっとメガトン級なあれではないか。。。」瞬時に脳が反応します。

左足膝から下だけ異空間に解き放たれたように浮いているような感覚。右足に感じる体重と重力に踏みしめている地面。そして地面からの反発を感じる身体。それが左足にはない。

アキレス腱やっちゃったかな。

試合後、10年目にして初めてアメリカの医療のお世話になるべく病院へ。しかもemergency room。
どんなロストバージンやねん!

担当してくださったスポーツドクターの先生に状況を伝え診察してもらった結果、ご名答!
やったー!10ポイント獲得!ではなく、MRIを受ける権利を獲得!

医療チームの方々が非常に良い方々でMRIを受けることを勧めてくださいました。というのも一部繋がっている所があるみたいだから細かく綺麗な画像で確認した方が良いと。断裂が損傷か。数日後MRIを受け、その数日後にドクターと会うことに。

MRIの音。へたくそなバンドよりもロックンロールなサウンドでした。

で、診察結果はアキレス腱重度損傷でした。

はい、今松葉杖とギプスの生活なのです。これが不自由なのですが色々と教えてくれるのです。
日常が非日常になることの意味。なかなか味わい深いです。

こんな上り坂・下り坂が大変なのか。
松葉杖だとめがねが安定しなくて毎日コンタクトだな。
変なおっさんが来たら走って逃げようって、すぐ追いつかれるじゃなーか。
公共交通機関の充実に感謝。
なにをするにもいつもの1.5倍ぐらい時間かかるな。
松葉ちゃんじゃ両手ふさがって買い物にもいけねーよ。
などなど

日々発見です。日々高速松葉杖使いに変身中です。日々いつも通り飲んでます。
uncomfortableを楽しんでいます。
非日常を楽しんでます。
日常のありがたさを感じてます。

いい経験です!

トチ狂ったように腫れた足も徐々に元の美しさ!?を取り戻しつつあります。
時間はかかりますが、またサッカーボールを蹴り、波に乗り、遅刻だと走り階段を一段飛ばしでかけめぐり、いい気分で千鳥足を両足で体現できるように。
ぼちぼち行こうと思います。

なでしこジャパンの中にも怪我での苦しみを乗り越えて今日の決勝のピッチに立つ選手たちの存在を知っています。先輩!パワーを貰いにスポーツバーで応援します!
Go なでしこ!