火曜日, 7月 21, 2015

29冊目2015(215)

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ 単行本
吉川 浩満  (著)
朝日出版社 (2014/10/25)

進化が理不尽!?そんなアホな!

もしそれをアホとみるなら、僕たちはアホの上に成り立っています。

ふざけるな!進化とは。。。なんて聞こえてきそうですが、よく詳細を踏まえると進化と言う言葉の「後光の影響」がどれだけ僕たちを「レトリック」と「トリック」の狭間のブラックホールに誘導してるかを垣間見れます。

進化。それは進歩であり成長である。進む変化。字面をとるならそうです。その通り。
恐竜が絶滅したのは隕石が。。。そして寒冷化で。。。よく耳にする通説です。
さて、そこで「字面の進化」で生き延びた恐竜は居たのか。聞こえてきそうですが、そんな危機的状況で進化なんて。では、進化は何のために、何を見据えて起こるのか?

危機的状況で生き延びれた種。理不尽に耐えた種が「進化」のチケットを手に入れることが出来るのです。そもそも生き残った種は自分の”進化”などを意識することは毛頭ないのではないでしょうか。この前提から、ダーウィンの進化論や自然淘汰説のバックグラウンドを丁寧に紐解き当時の論争を辿っていきます。

最初の数章からここに入ると概念から詳細にシフトし小学校の歴史の教科書が高校生のそれに化けたように細かい部分を見ることになります。でも、そこが大事な気が僕にはします。

何か新しい事を始めるといううのはそういうことであり、当事者からみてはるか先に評価されるという事実が多く存在するから。そこに、頑なにこだわった一人の科学者。その頑なこそ理不尽であり、その理不尽さがまるで進化の象徴のようでした。
筋、頑固、譲れないとか、周りにもいたり自分もそんな面がある事にはあったり(僕は確実にその系統の人間ですが。。。)。でも、そのこだわりが学会や国や世界を動かすことに出会って、それを貫徹できるか?筆者にはこの物語の深さを感じたのでは。僕はそう感じてなりませんでした。

科学者として、根本として人間として。理不尽への向き合い方。
うまく生きるべきではあるが、うまく生きるとは何か。
理不尽には屈したくないが、戦うことは人生に何をもたらすのか。
理不尽な進化の上に生きる人間。その理不尽を受け止めてこれからまた起きるであろう次回の理不尽に思いを馳せてみませんか!?

僕の人生は理不尽な酒。いや、酒が理不尽なのだ。
酒を一切飲めなくなったら。。。スーパーサイヤ人になれるかも!?
こら、僕は自然に消滅だわさ。

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