日曜日, 11月 27, 2011

書評23(その66)

フーゾクの日本史
著:岩永 文夫
出版社(発売日):講談社 (2011/4/21)

はい、分かりやすく言うならエロの変遷です。しかし侮ってはいけません。
そこには示唆に富む記述がたくさんあります。

スタートは万葉集から始まります。
そんな時代から娼婦や風俗といった形態の職種があったとうことです。
それが今まで続いているのです。
時代の変遷と共に営業形態・法律の整備や取締り・地区など大きなダイナミクスの中で今も存在しているので。

外交問題の関連に娼婦の話が出てくるなど、いろんな事象との関連性が見えてきます。

風俗がなぜこんなに昔から存在するの?
男性が求めるから?女性が生活をするために?でも、需要が?でも供給があるんでしょ?
いたちごっこのような話ですが、人間の三大欲の一つ性欲と社会・文化を考えるには面白い本だと思います。

日本に帰ったら…。

書評22(その65)

三陸海岸大津波
著:吉村 昭
出版社(発売日):文藝春秋 (2004/3/12)

これを読んで一言。なんでもっと早くこの本の存在がクローズアップされなかったのか??

過去に三陸で起きた津波の記録です。今回の震災も凄まじいですが、過去の記録も凄まじいです。
文庫本ですぐに読みきれると思います。

あの震災後、こういった過去の本や古文書の分析が行われるようになりましたが遅いですよね。

誰の仕事なのでしょうか?
学者は調べた結果をもっと広げるアカウンタビリティー。
マスコミはそれを見つけ問題提起する必要性。
さて、それがちゃんと出来ているのか??
今後の為にもしっかり修正していきたいですね。

そして、改めて日本に帰ったら東北に足を運ぼうと思いました。

書評21(その64)

大発見の思考法
著:山中 伸弥, 益川 敏英
出版社(発売日): 文藝春秋 (2011/1/19)

ノーベル賞学者の益川さんと、次期ノーベル賞候補の山中先生との対談本です。
最後のあとがきに僕個人的に「やられたー」という出来事もありましたが。

内容としてはどうやって発見(益川さんの場合はノーベル賞の、山中先生の場合はiPS細胞)したかが書いてあります。
内容はサイエンスのプロセスですが、やり方考え方は相対化すると普通の社会にも通用すると思います。

僕が常日頃感じていたことが、所々オーバーラップしていてがんばろうと心底思いました。
思考停止にならないようにしたいものです。知的好奇心で仕事を出来ている現状に本当に感謝です。

あとお二方の研究の意味や意義も理解できるので(対談形式なので分かりやすいです)いいと思います。

でも、学問の細分化をとても感じます。出版にあたりそういう風にしたのかもしれませんが(お二人とも博士・教授ですし)、双方の研究の深さを対談で実感している感が伝わります。
自分はもっといろんなことを(サイエンスにおいても)知りたいと改めて思いました。

「うまくいかない」とか「どうしたらええんやろ」とか八方塞の方にはお勧めかもしれません。

あー、がんばろ!!

書評20(その63)

ことばと思考
著:今井 むつみ
出版社(発売日): 岩波書店 (2010/10/21)

今年読んだ本のなかでかなりのスマッシュヒットです。
おもしろい!!
内容は言語・思考・認識と言った問題を扱って、科学的な実験結果の話お出てきます。でもここにあるエッセンスは多言語だけでなく自言語を使って人と分かり合うというえで、極めて面白い話がいっぱいです。

なんでtakeとかhaveって辞書引いたらむっさ意味あるねん!!
なんでアメリカでは青信号をグリーンやねん!!
といった言語間の隙間を見事に埋め合わせてくれた気がしました。
その言語特有のこだわりとでも言うのでしょうか。
それにこだわってるのにそれ適当かい!?みたいな。
そういった面白い視点をたくさん与えてくれます。

次の角を右に。次の角を東に。
この両者(こういったふうに上下左右で表現する言語と東西南北で表現する言語があるんですって!)が実生活でイメージたらどれだけ面白いと思います??

言語を発する際には脳による認識があるわけで。
何気ない世界に・その国に生まれたから、意識する・認識する・区別するもの。
どうしてそうなったの??

本当に普段は意識しない前提に問いかけを与えてくれる面白い本です。

もうひと言語なんとか学びたいなぁ~

書評19(その62)

決断できない日本人
著:ケビン・メア
出版社(発売日): 文藝春秋 (2011/8/18)

「沖縄はゆすりの名人」と言ったことが報道され、国務省日本部長を解任されたメアさんの著書です。

テレビ番組等でメアさんが話しているのを聞きましたが、日本語がとても上手です。しかも話しておられる内容は外交安保や政治経済といったもの。アメリカのテレビ番組でこの手の内容に対してアメリカ人ジャーナリストや評論家と丁々発止議論できる日本人がいるのかなと思ったのが最初の感想です。

さて、内容ですが東日本大震災時に日本とアメリカのパイプ役をされた方なので色々なやり取りについて書いてあります。冷却材の提供や東電とのやりとりなど。
他には沖縄の総領事を勤めたことがあるメアさん。基地問題や沖縄の話。
次に、役職を経た経験者の視点から述べられる日米関係の詳細。
などなど。
僕はこの本に書かれていることはおおむね信用できると思ったのと同時に、アメリカ政府と日本政府といった相互関係におけるスタンスの違いを感じました。

当事者性

アメリカ政府がいかに福島原発の危険性を危惧し対応したか、他国なのに。
日本政府と東京電力がいったいどんな対応をしたか、自国なのに。

物事が起きたときにそれを「自分が」、「この先」あるいは「彼が彼女が」どうなるか。その比率がどうなるのか。
保身と言うのは「自分が」という比率が高いと思います。
で、日本政府や東京電力などは…。現在の官僚・政治家は…。

その視点を持つきっかけにはとてもいい本だと思います。
比較対照を元に自分がどうあるべきか考えて生きてゆきたいですね。

当事者性…。この一杯でやめておこうか…。

水曜日, 11月 16, 2011

はしる

youtubeで2つの動画を観て感じたこと。

1つ目、この前のWBC(野球のワールドカップ)で代表に選ばれた西武の片岡選手。
盗塁。塁間マネジメントと言う言葉は凄くインパクトがあった。足で代表に選ばれたと言ってた。
彼を指導したコーチの方が言った言葉「足は裏切らない(嘘をつかないやったかも)」を鮮明に覚えている。
そう、の動画はもう数年前に見たもの。今は残っているのか分からない。

そして、2つ目。
サッカー日本代表を初めてフランスワールドカップに導いた劇的ゴール。それを放った岡野選手。
その岡野選手と中田英さんとの関係の動画。

走る。至極基本な運動行為。質はどうあれ基本的に皆走れる。
走る。至極基本名運動行為。速く走るという素朴な質に皆が競う。

その走ることで、トップに立つ。
才能?天性?
でもそれは運動の基本である。

たかが走る。されど走る。

なんでもない、当たり前に僕たちはどれだけ向き合えているのだろうか。

基本の前に前提する当たり前と言う名の基本。
しかしその基本は下手をすると個人差というもので議論されない性質かも。

飛ぶもそうかも。気付くもそうかも。考えるもそうかも。
さぁ、そもそもの原点に帰る世界にようこそ笑