日曜日, 11月 27, 2011

書評19(その62)

決断できない日本人
著:ケビン・メア
出版社(発売日): 文藝春秋 (2011/8/18)

「沖縄はゆすりの名人」と言ったことが報道され、国務省日本部長を解任されたメアさんの著書です。

テレビ番組等でメアさんが話しているのを聞きましたが、日本語がとても上手です。しかも話しておられる内容は外交安保や政治経済といったもの。アメリカのテレビ番組でこの手の内容に対してアメリカ人ジャーナリストや評論家と丁々発止議論できる日本人がいるのかなと思ったのが最初の感想です。

さて、内容ですが東日本大震災時に日本とアメリカのパイプ役をされた方なので色々なやり取りについて書いてあります。冷却材の提供や東電とのやりとりなど。
他には沖縄の総領事を勤めたことがあるメアさん。基地問題や沖縄の話。
次に、役職を経た経験者の視点から述べられる日米関係の詳細。
などなど。
僕はこの本に書かれていることはおおむね信用できると思ったのと同時に、アメリカ政府と日本政府といった相互関係におけるスタンスの違いを感じました。

当事者性

アメリカ政府がいかに福島原発の危険性を危惧し対応したか、他国なのに。
日本政府と東京電力がいったいどんな対応をしたか、自国なのに。

物事が起きたときにそれを「自分が」、「この先」あるいは「彼が彼女が」どうなるか。その比率がどうなるのか。
保身と言うのは「自分が」という比率が高いと思います。
で、日本政府や東京電力などは…。現在の官僚・政治家は…。

その視点を持つきっかけにはとてもいい本だと思います。
比較対照を元に自分がどうあるべきか考えて生きてゆきたいですね。

当事者性…。この一杯でやめておこうか…。

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