火曜日, 7月 25, 2023

2023年 9 冊目 (378)

のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか 単行本
フランク・ローズ (著), 島内哲朗 (翻訳)
フィルムアート社 (2012/12/25)

この本出版から10年たった今読んでも十分に刺激的な本でした。
主にアメリカが舞台となって書かれていますが日本では日本特有の状況をもって似たストーリーが存在していたかもしれません(ある意味で日本特有なものがあったり)。

この本をみて改めてバットマンシリーズを見返し、新たなバットマンシリーズ第一作のエンディングを観てゾクゾクしました。10年後の今だからある程度の知識や経験を持って読めてる(理解できてる)部分が僕にはあると思います。というのもアマゾンの履歴によると僕がこの本を購入したのは2016/12/15だそうで。読もう読もうと本を見つつ開いては閉じ、この6月にようやく読みのが現実。やっぱり本は読み終えるタイミングに意味のあるのかと痛感してます。

当時のメディア・ネット・SNSの状況でさえこれだけ様々な創り手側の意図が介在していたなんて当時の僕は全く知る由もなくここまで過ごしてきました。知らなくても過ごせるとう言うのは、取り込まれていた(いる)部分もあるということ。そうなるとAI・AR・VR・5Gにスマホなど現在のメディアの景色を眺めるとどうやら現在進行中でさらに取り込まれているんだろうなと。ここで面白いのはこの本で紹介されているのは万人が必ずしもハマるのではなく、一部の人が熱狂的に波を起こすということ。しかも設計側が思ったように進んだというのは稀であるということをこの本から学べます。これはAIがどれだけヒトに近づくかのように、ヒトへの理解がいかに困難である証左では。

研究の世界も何が当たるかなんて予測できない。要は今を生きるしか無いのですが、今をハックしようとする人・しかも悪意をもって接近してくる場合を避けるためにこのようなカラクリを知るのは有益なのではと思いました(常にアップデート必須ですが)。内幕は内の中の人しかしらないのが常として、少し遅れでもこういう情報を拾えるアンテナは張っておきたいなと。

僕のサイエンスの内幕。せっせとアウトプットとインプットに励まな今のままでは不安でしゃーない。