水曜日, 3月 21, 2018

2018年4冊目(297)

タネが危ない 単行本
野口 勲  (著)
日本経済新聞出版社 (2011/9/6)

種子法に関して「コメが消える」とか色んな話題が出ていますが、まず売られている種がどういうものなのかをしっかり理解するためにもこの本はオススメです。タイトルにある「危ない」はこの種子法の危ないという言説とは全く異なる意味での警鐘の「危ない」です混同しないように。僕も「種子法がー」と言う言説に立たない事もここに追記しておきます。

理科で習った遺伝の法則をもう一回学ぶことになります。そしてこの法則がいかに食卓に並ぶ野菜や果実まで支配しているか。厳密にはこの自然の摂理を農業に適応させているか。
次に自然淘汰というダーウィンの進化論の意味を考えます。いかに僕たちが適応してきたのかではなく如何にこの淘汰されるべきものを農業に利用しているのかを。

GMOや遺伝子組み換えに対して嫌悪を示す人。僕はそれは個人の志向なので構いません。でも基本的な分子生物学を学ぶと昔ながらの交配という手法で育ててきた野菜とそれとの違いを明確に説明できてほしいと願いします。
それはベジタリアンの方にも今回にも強く今食べている野菜がどれだけコントロールされて作られているかを知った上で謳ってほしいなと。

食は生命活動の根幹です。その安定供給に使われている先人たちが培ってきた叡智。
現代のバイオテクノロジーに即し応用している技術。
ここを切り離さずに考えた上で種とはやミツバチ問題を考えるとこの本のタイトルの意味がすっと入ってきます。そして種子法に関する議論もより理解できると思います。

最近特に感じていた「中学校の理科の知識がしっかり身についていれば十分なサイエンス・リテラシーを身につけられるので」はという考えを補強してくれた気がします。

人生の中で撒いた種を回収できた時。ドラゴンボールで ヤジロベー が仙豆をしこたま食べて満腹でもがき苦しんだようになれると幸せだなー。ってどんな幸せやそれ!

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