月曜日, 12月 26, 2022

2022年 9,10 冊目 (368,369)

 生命科学クライシス―新薬開発の危ない現場
リチャード・ハリス (著), 寺町朋子 (翻訳)
白揚社 (March 7, 2019)

業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ
沢渡 あまね  (著), 元山 文菜  (著) 
技術評論社 (November 6, 2020)

2冊とも職場とは仕事とはを問う話ですが。あえて言えば前者が哲学的で後者が実務的です。1冊目は僕が今年読んだ中で一番、生涯においても上位に入るほど刺さった本です。2冊目は新しくラボに入ったyoung scientistsをどう軌道に乗せるか、あるいはボスとどう良い関係性を継続するか。その点で少し思うところがあったんで何かヒントがあればと。

ほぼ2冊を同じタイミングで読み始めて哲学的・本質的であることとテクニカル・実用的であることの違いを痛快に感じる稀有な体験をしました。2冊目も読んでいて面白かったんですが、この本で出てくるトラブルメイカー的な人はおそらく1冊目で論じられる根本のところで大きな齟齬があるんだろうなと思いました。

1冊目は僕と共同研究者との間で起きる再現性の問題の芯の部分を突いて暮れたおかげで、実際に学会の帰りに立ち寄り直接話しをし新たに思ったことを伝え今は同じ土俵にいて共同研究を出来ている気がします。いかに同じことを同じようにすることの難しさを痛感できました。もしこの本を手に取ってなかったらどうなっていたのかなってちょっとぞっとします。それぐらい当たり前は当たり前でなく、その当たり前のためにはどれだけの試行錯誤・謙虚さ・尊敬・寛容性・好奇心などが必要なのか。。。良い本に出会えました。

ただ残念だったのは、この本に日本人の研究者が良くない例として幾度も登場したことでした。彼ら彼女らの腹の中はわかりませんが、教育初期における考え方(哲学)の設定はかなり大事だなと、そしてそれを語る上で職場の環境は大事。そうだからこの2冊目も必要なのです。

チームを作るというのがここ数年にわったて思考を巡らせることですが、いやはや。本は読んだときがタイミング。今年も実感させていただきました、ありがとう!!読後からはや4ヶ月。。。早く文章にしようね(苦笑)

月曜日, 7月 18, 2022

2022年 8 冊目 (367)

ドーナツを穴だけ残して食べる方法 (日経ビジネス人文庫)
by 大阪大学ショセキカプロジェクト (編集)
日本経済新聞出版 (September 3, 2019)

タイトルに目を引かれて購入して読み始めてそういう事かと。
大喜利のお題のようでもあり哲学的な問いのようでもあり数学の未解決問題のような空気も。
このいろんな風に問える事がこの本の本質です。阪大の教授陣がそれぞれの学問を駆使してこの問いと向き合います。そこに絶対的な解を見いだせなくとも考える思考を面白いと思える人には良いかもです。僕自身は文系の先生方のアプローチを読めて楽しかったです。

大学に行く前の高校生・大学院に行く前の大学生はこの本で書いてる意味を理解できなくても自分のしたいこと目指してる事に実は他のアプローチがあるのではと考えるきっかけになるのではと。
大学入学まで薬は薬学部でないと勉強できないと思って思っていて、授業でタンパク質の機能から薬を探すという話を聞いた時「はよ教えてくれ、それ!!」と思ったのを思い出しました。

ロールシャッハテストで使われる夫人の絵を目の見えるところに貼ってあるのですが、モノのミカタの多様性は大事ですねー。この絵が出てくる古畑任三郎の回でも観ようか。。。

火曜日, 6月 07, 2022

2022年 3 - 7 冊目 (362 - 266)

がん免疫療法の誕生 科学者25人の物語
by Neil Canavan (著), 河本 宏 (監修, 翻訳), 三枝小夜子 (翻訳)
メディカルサイエンスインターナショナル (December 4, 2018)

藝人春秋2 ハカセより愛をこめて (文春文庫) Kindle Edition
by 水道橋博士  (著) 
文藝春秋 (February 9, 2021)

藝人春秋3 死ぬのは奴らだ (文春文庫) Kindle Edition
by 水道橋博士  (著) 
文藝春秋 (March 9, 2021)

漫才論 - 僕が出会った素晴らしき芸人たち
by オール巨人 (著)
ワニブックス (March 24, 2022)

脱・東京芸人~都会を捨てて見えてきたもの Kindle Edition
by 本坊元児 (著) 
大和書房 (April 21, 2022)


職場が引っ越ししたのでその移動時間に本を読む時間が出来ました。僕はやっぱり物理的な制約が1番効果があると改めて感じました。読みさしの本を2冊といちから1冊を約3週間ぐらいで読めてます。この文章もその道中に書いてます。

この移動が面倒だと言う同僚も多いのですが、僕はやはり娑婆に出て人や街を感じ変化を感じる時間の大切さも実感してるので引っ越し良かった派です。隠れキリシタンのように表には言いませんが。

ここまで読んできた本は全て「人」や「出会い」「運」などの物語りです。
どれも面白かったのですが時間はかかったけどサイエンスの本がやっぱり1番面白かった。多分当事者性もあるからかな。こんな風に取り上げてもらえるように日々精進します。

金曜日, 1月 14, 2022

おい!2022年のお前!

 少し物事がうまく運んでるから自分は出来るんだ!勝手に自分らしくないプレッシャーを感じて現実逃避ではないけど言い訳を付けて先延ばしにしがちなダメな自分。

ダメだ駄目だって、目標を掲げたりハードルを上げたりすることでヤル気と言う名の一時的なパワーに頼って乗り切ろうとしてる自分(に今しがた気づいた)。

僕はそんなスーパーサイヤ人でない。でもしっかりと戦闘には参加ししっかりと結果をのこすピッコロさんのようにあるべきではないのか?
目指すゴールを上げすぎるな(そもそもピッコロさんは相当すごいぞ!)
色々と迷いすぎじゃ、過信はいかんが自身は持て!(と亀仙人のじっちゃん声が聞こえてきたする)。

要は自分との戦い、向き合い方。
ドラゴンボール超の76話のクリリンが教えてくれました。

目の前の一文・文章にしっかり向き合う。湯水のように文章でない。まずは下手でも書いて最後までたどり着け!
目の前の実験と丁寧に向き合え。積み重ね。ショートカットはない!
目の前のミーティングに対して誠実に準備しろ。捏造しない限りは手持ちのデータで戦うしかない。それが嫌なら手を動かせ!

森は去年十分見させてもらっただろう、だから木を見て森を進め!自分(バカ)との闘い。
クリリン!サンキュー!


月曜日, 1月 10, 2022

2022年 1-2冊目 (360-361)+今年の目標

二軍監督の仕事~育てるためなら負けてもいい~  Kindle版
高津 臣吾  (著)
出版社 ‏ : ‎ 光文社 (2018/11/20)

未来の科学者たちへ Kindle版
大隅 良典 (著), 永田 和宏  (著) 
KADOKAWA (2021/11/26)

現象には必ず理由がある。去年のヤクルトの日本一には高津監督が二軍時代に巻いた育成の種がしっかりと実った結果だったことがよく分かる。本書に出てくる選手たちの名前はまさに日本シリーズで活躍した若手の名前そのもの。きっとこの手法に沿って奥川投手も育成されているのだと思うと日本シリーズ第6戦で奥川選手が登板しなかったのは頷ける。明確なビジョンを持って人を育てる意義を改めて自分に落とし込めました。

恩師と大隅先生の対談と両先生が思う科学を志すとはどういう事なのかが詰まった一冊です。
このようなマインドを持った若い科学者が増えた上で、システム面で今を生きるシニアの先生たちが現状の研究環境(先ほどのプロ野球の育成のような面と研究資金獲得が意味する「親会社=自分」である競争面をいかに両立させることが出来るかというシステム面)をどう改善できるか。実は未来の科学者を育てる今の科学者が熟読しないといけないのかもしれない。


今年の目標は「自分が獲得した資金で人を雇う」なのでこの2冊を年末年始に了読できたことはよいスタートなのだと言い聞かせて。今年も酒と共に生きます!