火曜日, 7月 27, 2010

書評 その22

死因不明社会 Aiが拓く新しい医療
著:海堂 尊
出版社(発売日):講談社ブルーバックス (2007/11)

過去にたかじんの委員会でも取り上げられた話題。
なぜ死んだのか?
そのとてもベーシックな疑問について問いかけた本です。

細かい正確な死因を解明するには「解剖」が必要だけど実施率は僅かに2%というのが中心になります。
細かい死因が必要な理由がさまざな観点から述べられます。

いち研究者として読んでいて納得する分が多々。
医学と医療と言う間で、医学と言うものを考えるといろいろなサンプルを丹念に分析・解析し相対化する作業が必要だからです(この話を最近よくしている気がするけど)。
人はなぜ死ぬのか?
癌や感染症、成人病など色々な疾病があります。突然死や手遅れ、植物状態など死にいたるプロセスもさまざまあります。最後までしっかり経過を観察するがどこまでできますか?
なぜ死んだのかを知るためには死んだ状況を観察するしかない。
でもそこには遺族との関係などデリケートな部分が横たわる。

その間を埋めるのかここで登場するAi(オートプシー・イメージング, 画像解剖)。

僕には書評20で書いた脳科学の研究とも重なる部分を感じました。
どうやって実態を把握するのか。これだけ分かればええやん。「これだけ」って「どれだけ」のなかの「これだけ」!?

捕らえ方次第で色々なことに思いを巡らせることが出来る本だと思います。

僕はAiの普及を希望します。

0 件のコメント: