木曜日, 8月 16, 2012

本の感想16,17,18(その82, 83,84)

さいごの色街 飛田 [単行本], 井上 理津子, 筑摩書房 (2011/10/22)

12年間の取材に基づいたノンフィクションです。知っている人なら誰でも興味を持つ「飛田」という町の中の部分。でも怖いそっちの人たちが…と思いをめぐらせるだけでしょう。
筆者の方もそのスタート地点から出発して取材を重ねこの本を書き上げています。
歩いた事のある人なら(それ以上は藪の中で…)読みながら色々と情景が浮かぶと思います。
この街がなぜ存在しうるのか。色々な側面から覗けます。それぞれが複雑に絡み合っているのではなくシンプルに一つ一つが街に刺さり土台になり漂う視界の悪さともにある。それは僕らの抱く不安定さとは裏腹に実は重く腰掛けている印象です。もちろん昔に比べれば規模は小さくなっているようですが、無くならない謎解きは出来るような気がします。そして人の性や人生など、やはり色のある所には横たわる人間の匂いを感じました。筆者の苦労と思いの感じる本です。是非!


動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ) [新書], 津田 大介, 中央公論新社 (2012/4/7)

メルマガを購読している津田さんの本です。震災前と後で変ったこと。Ustreamやニコニコ動画でたくさんの情報が発信され、twitterやfacebookの広がる世界。震災前にイメージできましたか?
そういったソーシャルメディアがもたらしたことは何か?と言うのを分かりやすく記して下さっています。そして、僕らが見ているのは表面的な事象であって、知恵のある・行動力のある人にとってこれらを使いこなせることがどういう事なのか?その視座も与えてくれています。
モノをどう使うか?実は「出来ない」と言う問いは今までの方法論や技術論ではなく「知らない」「使わない」という部分が今日の現状なのではと思いました。「モノは言いよう」という言葉のように「モノは使いよう」。使ってしまえるか。僕はこの本を読んで、なるほど研究もこんなふうに捉えると面白いかもと学会に向かう途中思いを巡らせ、学会で形は違えど相対的に見てこの本に出てくるような状況を感じれたので、読んでよかったなよんでなかったら気付いていたかな?と思ったのでした。今文章にしていて上手く表現できない心にあるイメージ。ああー、文章力!!この本面白いです。


必生 闘う仏教 (集英社新書) [新書], 佐々井 秀嶺, 集英社 (2010/10/15)

以前に筆者である佐々井さんの事を記した本「破天」という本を読んだことがあったので、この方のことは知っており本人が記した書というのに興味があって手に取りました。内容的には破天で深く知っていたので、それをコンパクトにまとめたモノといった感じがあります。が、本人が思っていた感想・感情を読むのはまた違った味わいで面白かったです。仏教と言うもの。インドにある階級社会。日本にある仏教。人間の煩悩。インドいう国で仏教を布教するということに名運伴う生きると言うこと。色々思いを巡らせながら読みました。こういった「生をまっとうしている人」の話を読むとがんばらねばと思いますね。そして生きるということに言えば、最近自分がよく感じる「life is too much fun!」をもっと体験して行きたいですね。人生って面白いですよ!さー飲むか!



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