木曜日, 11月 20, 2014

読んだ本・その36, 37(179, 180)

殉愛 単行本
百田 尚樹  (著)
幻冬舎 (2014/11/7)

争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール 単行本(ソフトカバー)
木村 元彦 (著)
集英社インターナショナル (2011/12/15)


殉愛に関しては1冊について感想を述べるつもりでいました。ところが、次に手にした我那覇選手の本があまりにも本質的な部分で似ているので一緒に記すことにしました。

戦う人と支える人。
共感する人と問題を作る人。
真実を知ろうとする人と嘘をつく人。
奇跡としか思えない出来事や人と人のつながりから生まれるケミストリーの数々。
いいかげんなマスコミとそれによって真実から遠ざかる我々。
あきらめの淵であきらめないヒトの強さと耐久性
そしてこの2冊には医療と言う現場で戦う人の職業倫理が加味されます。

これはノンフィクションなのです。その深さ。悲劇の極地は喜劇。嘘のような事実。

真実は当事者とそれに関わった人しか知らない。
そして幸いに真実に誠実な人と残念ながら自分を第一に行動する人が交錯します。
人としてとか義とが善とか悪とかフェアとか。

結局はそこにその人の人間性が如実に反映される。
それが闘病とか裁判とかといったある意味で追い込まれた状況。
だからこそ、真実や現実に対して向き合える自己犠牲を払えるという尊さ。

読んでいて腹が立ちます。ある一部の人たちの立ち居振る舞いに。
もちろん書く側の立ち位置があるからこそ発生します。でも、ここで”向う側”に立つような人間にはなりたくない。
同じ気持ちの人と付き合いたい。心意気とか優しさとか友情とか。ウエットなもの。
でも、そのウエットティッシュを自分に差し出してくれる人たちのクラスター。
だからこそ、この2冊が世に出たことに心から「よかった」と言いたい。
そして手に取れたことにも「よかった」と。

各人の自問自答の描写。そう、日々自問自答し決断する。でも、それを極限状態でも冷静にかつ全うできるのか?フェアに。
この2冊を読めてよかった。そして改めて真実を知るためのリテラシーと、その前での立ち居振る舞いを当たり前に出来る大人になりたいと。

じんちゃん!ありがとう!
我那覇選手!応援します!

さー!飲むぞ!



P.S. 今トップの本の状を見るべくアマゾンの殉愛のページへ。平均の星は2つ。678のレビュー。463のレビューが星1つ。少し目を通して気分が悪くなった。真実とか上で書いてた己を。。。尊敬するわ!恥を知れ!こんな糞日本に誰が帰るかボケ!!!

1 件のコメント:

June さんのコメント...

私はこの本を真っ新な気持ちで読みました。というもの、奇跡としか思えない出来事を自分自身体験しているから。だから正直 とても共感できたし、本質的にそうありたいと切に思いました。ただ、読み終えたから読む前に知っていた書評などを思い出すと、如何にピュアな心であり続けることの難しさ、そして無意識に人生を惰性で過ごしこのような真の姿を酷評してしまう悲愴さを思い巡らさざるを得ないのでした。でも、私はこの本に書かれている事は全く持って真実と受け止めていますし、殉愛というタイトル通り二人はお互いの時を共有し、全うしたのだと思います。