水曜日, 2月 01, 2023

2023年 1-3 冊目 (370-372)

なぜ、この芸人は売れ続けるのか? Kindle版
中西正男 (著) 
マキノ出版 (2022/12/9)

笑い神 M-1、その純情と狂気 (文春e-book) Kindle版
中村 計 (著) 
文藝春秋 (2022/11/28)

酔人・田辺茂一伝 (中公文庫 た 56-3) 文庫 
立川 談志 (著)
中央公論新社 (2021/10/19)

僕は芸人さんをこよなく敬愛している。喜怒哀楽の中で笑いを含む「楽」が僕は一番難易度が高いと思っていて、これをto personではなくto massしかも世代を超えた多種多様なmassにアクセスしようなど狂気の沙汰だと思うからでもある。

中西さんの本からは芸人の本懐とはを知るところになります。売れ続けるには理由がある。至極真っ当な仮説ではあるけど、時代と共に生きる芸の世界。マーケティングンが通用するなら人工的・工業的な売れる芸人がいるはずだか、そうではないからこの仮説に深みが加わるのではないだろうか。そう、要は人間なんだと。その人間性も幅広く真似できそうな一丁目一番地的な要素から、滲み出なければ生まれない味の部分まで。そう、世に出るとはのてにおははまずはこのようなレジェンドから学びましょう。

で、夜に出るためのシステムとそのための狂気は中村さんの本から学べます。そうM-1グランプリです。僕はM-1ど真ん中で大学1回生のときに第一回が始まりクリスマスの夜に画面にかじりついて中川家の優勝を観てました。MC赤坂さんの「石川家・アメリカンロック」は伝説です。大学3回生あたりからbaseよしもとに笑い飯・千鳥の大喜利ライブやスーパー千鳥パーティーを観に足繁く通う頃にはこの本で描かれる笑い飯マインド全開です。今も懇意にしてくれている当時よく飲みに行った後輩には「厳しい笑いを教えられました」と大学卒業時に言われたのを遠い目で思い出します。でも、それぐらいとんねるず・ダウンタウン・ウッチャンナンチャンに関わるような人たちが感じていたようなピリピリ・ヒリヒリするような緊張感がM-1によって生まれたのです。それを素人の僕も真に受け「おもろなりたい」にガチンコで体当りしてました。その当時の空気感まるまるを文章にしてくれたのがこの本です。紙で手を切るような感じでスーッと自分の当時の異常さにメスを入れらてた気がしました。ただ言えること、その時のガチンコを僕は後悔していなくて寧ろ今思えばよかったと自分自身には還元できます。ただ当時に巻き沿いにあった後輩には今度話を聞きながら場合によっては謝らなって思います。それぐらいM-1と笑い飯と漫才は一部の人に革命を起こしたのでした。そうあれは夢でなかったと、この本のお陰で。

立川談志。師匠。もう三途の川を越えて時間が立ちますが、師匠のおしゃべりを知ってる人ならこの本は読んでる途中から談志節が脳内で師匠の声で聞こえてきます。師匠のパトロンであった田辺大師匠のお噺。時代の空気もありますが、なんだろうなんだか憧れる世界です。それはNHKプロフェッショナルでYOSHIKIさん・ビートたけしさん・山中伸弥さんが会話する状況のように。文化交流。ある意味で取っ組み合い。でも探り合いの情報収集。これが芸の肥やし!科学者は何を肥やしにするねん!こんな丁々発止のやり取りがあればその場は脳を刺激する場所でしょう。今はNSCのように芸を目指す人のパイが増え、お酒離れが謳われ、コロナで、学者も雑用に追われ。この本は牧歌的なのか?いや違う。談志師匠にとっての田辺大師匠ような関係性を持てる事ができるか。大師匠のように寛容性を持てるか、師匠のように度厚かましくニコニコできるか。要は人間関係。

そう人が作る世界それが芸能界、最近は芸が西洋じみてカタカナになったり!?
慣れない粋をかますとこのように滑ります。
3冊から学んだのは。自己・環境・関係性。そう、どこの一般社会でもある現実。ただ芸の世界はよに晒され循環が早い残酷なレース。今を生きるなんです。Life is a moment! だからみんなそんな世界を塀の外から傍観者として娯楽として観たいんです。そこに需要がある。

あーーー、そんな僕は何を求めているのか。ようわからんけど、僕の主成分を再確認するような三冊に出会えました。あっ、あけましておめでとうございます!今年もよろしゅうに!
2月1日ですが、ええやん!な!?

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