水曜日, 5月 18, 2011

書評9(その51)

誰も語らなかった防衛産業 [単行本(ソフトカバー)]
著:桜林 美佐
出版社(発売日):並木書房 (2010/8/2)

また書評を始めないと思いながらどれだけたってるねん。ホンマに情けない限りです。
しかも震災前に読んでいた本やし…。

今被災地で必死に動いて下さっている自衛官の方々、特に陸上自衛隊の方々が使っておられる戦車などの部品がどのような所で作られているか?という本です。

まさに職人技の数々が記してあります。
ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベル。ダイナマイトは人を殺してしまうが、その発明のプロセスは科学の探求であると思う。
正確無比な部品、それがないとハイテクの塊戦車は動かせない。
しかし防衛費削減のあおり、注文数の減少、儲けにならない。しかし、それを作るための設備。
機密に関わるから転用が難しい。外注は信用できるのか?国家機密だからこそ国内で作る意味がある。

などなど、読んでいて「んーー、って思ってしまいます。」
技術とは?それは相対化したら、研究とは?科学とは?学問とは?となってしまいます。
何に応用するか?
そもそも、誰が国を守るのか?
違う側面からとても考えさせられる命題でした。

そして震災。果たしてこれらの部品工場は被害を受けていないのか?
計画停電、夏場の節電などでこれらの「貴重なライン」はどなるのか?

企業の経済活動だけでなく、将来の国防にも影響することはあまり議論されていないのでは?
腕に職とはいいますが、人間関係などと同じで維持するのでも大変。応用するにはパワーがいります。

大きな被害が無いことを祈ります。

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