水曜日, 5月 18, 2011

書評9(その52)

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
著:佐々木 俊尚
出版社(発売日):筑摩書房 (2011/2/9)

キュレーション【curation】
無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。(amazonのこの本のページから転載)

今のソーシャルメディアについて実際のfacebookやtwitterを例に出さずに、どういったことでどういう可能性があるのかが書いてあります。

これも震災前に読んだ本。
まさに、震災でこのキュレーションが放射能の情報や色々な出来事の中で起きていたと思います。

自分の知っていること。他人の知っていること。これだけが情報ではなく、この世の中には無数というとチープなほどの自分の知らないものがあります。
その知らないものは、自分が知らないだけで見つけた人がいるからウェブや本(僕の分野では論文・データベース)として残っている。
それを見つけ、コメントを添える。そのコメントを見て人は何かを感じる。
こう書いていて、「そんなの今までもあったやん」と思ってしまう。

でもそれは以前はメディアという大きな存在によって、僕らは受け取る側にいた。
しかし、今は自分で発信できる側に居るんですよ!ということ。
そして受ける方法が無数に存在し、認識していない・気付いていない大きな網の中で生活しているということ。
ネットを使えば自分でニュースソースにアクセスできる。検索によって色々な情報をキャッチできる。
知恵を絞ったり気付くことが出来れば、得たい情報にアクセスしたり自分で発信することも出来る。

実生活でどのような場面がそれなのか?どういった方法やモノなのか?ということが分かりやすく書かれていると僕は思います。

メディアリテラシーを含め、情報を得ると言うプロセスが受身で無くなったのだと僕は思います。
でも、受身でなく自発であることが「must」ではない。「better」であって、底に割く能力との費用対効果。
実際には、今までどおりのテレビを見ているだけでも生きていける。知らなくても生きていける。
そこに何が本当に「いい生き方」なのかを見つめる機会でもあると思います。

震災前に読む機会を持てた事は幸いだったと思います。

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