日曜日, 6月 07, 2015

22冊目2015(209)

なぜ世界でいま、「ハゲ」がクールなのか (講談社+α新書) 新書
福本 容子 (著)
講談社 (2014/8/21)

僕は基本的にこういったモノの見方がたまらく好きなので楽しく読みました。ただアマゾンの星は低いです。敢えて言及。

僕は祖父も親父もその毛ではなく"気"のある家系なので、この問題のある意味当事者かもしれない。
まえまえから感じていた事、自分が当事者になったらこうありたいと思っていたことは間違っていなかったと思ったのが読後感です。

それは「ハゲを受け入れる」こと。

潔さって素敵であり、素直であることや受け入れることって良しとしません?それに比べて、往生際の悪さや無駄な抵抗と言った意地を張るのはイメージよくないでしょ。一般的にね。

お題は「ハゲ」なのですが、これは髪型とか服装とかといった外見の本質、それも物理的に制限のかけられた身体へ出来事に対しての向き合い方の指針と言っていいと思うのです。そう言った一般的な人が人をジャッジするという前提での。

誰しもよく見られたいし、格好良く振る舞いたいんです。
突きつけられるのは自分が思ってるイメージと世間の抱くイメージ・世間体ってやつと時代のトレンドとの差です。その狭間でどう振る舞うかの選択の問題なんだと。
そこに迷うからこそビジネスが発生するんです。本書に「髪の文化人類学」や「ハゲノミクス」と言った項が入ってることの意義です。僕はなるほど思いましたよ。

ハゲだ差別だとか言うのではなく、人間は老いるもの。経済はそんなことでもズカズカ儲けの種にすることを忘れないという前提で、「起きたことの中でかっこよく生きる」という術。ファッション誌の役割にも言及したり。その見方で言えば至極全うですよ。

P194に出てくる「失った機能を数えるな、残った機能を最大限に生かせ。」

これなんて納得そのもですよ。清潔とか前向きとか。そこに文化や宗教とか規則とかを知ったうえでの立ち居振る舞い。
人は素敵になれるんです。格好良く生きれるんです。小さいことでくよくよするな!
そして、そんなことでしょうもない評価を下さないカルチャーが本流となればいいね。
それが起きていると感じる現代。

最後は帯に書いている言葉を。。。

「潔い!!」

「もう一杯!!」

(6/8/2015少し修正しました。)

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