日曜日, 2月 12, 2017

2017年4冊目(264)

救出: 3・11気仙沼 公民館に取り残された446人 単行本
猪瀬 直樹  (著)
河出書房新社 (2015/1/26)

正直どこから何を言えばいいのか。それぐらい想いを持って手にしてその想い以上に”重い”を受け取りました。

2011年3月11日。僕は現在住んでいるアメリカにいました。それから日本の土地を踏んだのは去年2016年の春になります。
むさぼるようにネットを見ながらえらいことになったと思った日本時間の11日。第一報は当時同僚だった大学院生が「Yoshi、日本でむっちゃ大きな地震があってんけど知ってる!?」と。僕は「日本は地震多いから、大きいってどれぐらい?」といった。君らの大きいとマジのガチンコの大きいは違うよ的なコメントを返しました。
その時少し離れた場所にナイキ主催の面白いテニスのイベントに出かけていた僕。そのイベント後、小さい翌日の準備をするためほろ酔い気分で帰ってきたタイミングでした。

すぐに酔いが醒めました。
あかん!
そしてどうやって両親と連絡をとろうか?幸いすぐに両親の無事が確認されましたが、これは日本が直面した危機だと。
敢えて言えば安全な場所で野次馬根性だったのかもしれない。でも、事の重大さはすぐに分かりました。
その中で僕がとにかくショックだったのが東北各地の都市、海沿いのそれらがアナウンサーの口から「壊滅です」という言葉でした。
壊滅。ゲームの世界でしか聞いたことのないような言葉。壊滅。
どういうこと?
そんな中この本の舞台になる気仙沼が火の海になっている映像をみて思たんです「壊滅や」と。
それは言葉は本当に悪いですがその時ドラゴンボールの中で牛魔王が住む城が火の海になっているようでした。芭蕉扇さえあれば消せるのに。子供の記憶と理不尽さの前に立ち尽くした僕は絶対に受けないし口にしてはいけないような言葉が浮かびました。人間て。

時を経て、僕は気仙沼に実際に行きました。南三陸町も通りました。福島第一原発の横も。
それを凄いだろうと!言いたくはないです。でも、敢えて言いたいです。6年ぶりに帰ってきた人間が訪れて6年も日本にいた日本人が東北に一度も行ってないこの真実。復興ってなんやねん!ねんでやねん。

やっぱり離れた土地の出来事なんです。でも距離が極端に離れれば離れるほど生まれる感情がある。それを今回想えたんです。
当事者性。事件事故の際に語られるこの言葉は意外にも距離に反比例するかもしれません。でもその反比例に比例して言うだけという無責任が発生します。そんな異次元は僕にとって経験でした。だから現地に足を運べたんだと思います。

そんな思いを踏まえて読んだこの本。
第6章が言うならば水面にそそり出た氷山です。知ったのも猪瀬さんのツイッターやその後に綴られた物語の断片を見たから。
でもその実際は平和ボケしてなかった気仙沼の人たちが織りなした生きるために耐え抜いた行動と知恵によってなされた塊の魂。それが漂流せずウエブの海の中で救われた話です。

泣きました。自信をもってほかの人より泣けます。だって現場を見てるから。
でもこのミッションを成功させたのは現場から遠く離れた人たちの現場への思いです。
実際に被災した大好きな漫才師・サンドウィッチ。彼らが東北のために尽力を尽くしているのは知ってます。
でも、思いました。この本を読んで。
サンドウィッチの美味しい具を挟むためのパンが無いとサンドウィッチは成立しないんです。
サンドウィッチマンがM-1で勝ったのもすべてプロットなのか?分からないです。でも彼らがM-1で勝ってなかったらなんて思ってしまいました。だからこそがんばってる彼らを心から応援したいです。

気仙沼の人たちたちの生きたいという具体的な具を
ネットや東京都が上手く挟めたんです。それをちゃんと販路に乗せた猪瀬さん。
ごちそうさまでした。
次回の帰国時も気仙沼に行きたいです。

P.S. そこで撮った写真は今読んでる本が読み終わった後に東北の旅として一年遅れですが乗せたいと思ってます。誰が興味あるねん!!(すんません!プラン9のギブソンのネタをこんな風に使ってしまって。。。)

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