金曜日, 9月 01, 2017

2017年23冊目(283)

パンツが見える。―羞恥心の現代史 (朝日選書) 単行本
井上 章一  (著)
朝日新聞社 (2002/5/1)

羞恥心の現代史とサブタイトルがありますが「エロティシズムの」「ファッションの」とも言いかえれるぐらい幅広い意味での文化をこのパンツから読み取れます。
僕も聞いたことのある百貨店・白木屋の大火災が女性にパンツ(当時の言葉で言うズロース)を履く習慣を生んだ。この通説の真偽から筆者は入っていき、ズロース前(言うならばノーパン)/ズロース後/現代のパンツとこの今では当たり前が当たり前になるまでを辿っていきます。

女性が当たり前にパンツを履くようになったのは歴史で言ううと本当にごく最近だということ。しかもその着用に際し貞操観念が問われ、その普及に伴う”オシャレ化”に際し娼婦を含めた水商売的なイメージからの変化。
男性的な視点からでは、見えないモノを見えなくしたパンツが秘めいた存在にまで駆け上がる。なぜそこに萌える(燃える)かの背後にある人間のもつ好奇と好色が生んだ想像力。
そこに市場的役割としての下着会社に広めるためや価値観を創出するメディア、カメラやビデオやテクノロジー。
たった布一枚に現代人はこんなに影響を受けるのか?と笑ってしまう反面、確実にそこにある価値観の変化。派生してブラジャーの場合、ブリーフからトランクそしてボクサーパンツといった男性の下着についても。

日本と欧米との間で下着の種類というか役割というか見た目と言うか。日本を離れてその違いを感じれるからまたここにも何らかの感覚や価値観の違いが。常日頃の当たり前への考察。いやはや、恐れ入りました。男性的目線での変化は性欲が3大欲求の一つであることがよく分かる。性的価値がなかったものに価値を見出すというか。

この筆者がしたような研究って僕はとても意義があると思います。それが文化の基礎であり次の文化を生むヒント。おもしろかったです。
僕的に好きな女性のそれは。。。。。。ここに書くにはまだ酒が足らない!!!

0 件のコメント: