月曜日, 6月 11, 2018

2018年16,17冊目(309,10)

人間をお休みしてヤギになってみた結果 (新潮文庫)
トーマス トウェイツ  (著), Thomas Thwaites (原著), 村井 理子 (翻訳)
新潮社 (2017/10/28)

イベリコ豚を買いに 単行本
野地 秩嘉  (著)
小学館 (2014/3/31)

タイトルだけを見るとこの二冊に共通ることは動物ぐらいかもしれない、でもこの2冊の中で語られる物語は同じエッセンスを含み且つ学ぶとは生きるとはどういう事かを教えてくれる。僕は教材として使いたいぐらいだ!

何かを知る。何かをする。この単純かつありふれた日常の行為を「うわっつら」でなく「本気」でするとこの本のようになる。何故そうなるか?それは詳細と向き合わない限り本当の事は分からないから。そして、その過程には必ずその道で詳細と向き合っている先人に出会うのだ。そして、その先人たちはみな「うわっつら」でなく「本気」というより「真摯」なのだ。

ヤギになるといっても、どうする事が「ヤギになる」のか。ヤギの生態、ヤギの行動、ヤギの動き、ヤギの構造、ヤギヤギヤギ。でも、その前に人間の生態・行動・動きがヤギとどう違うのかを知らないといけない。ヤギの前にヒトにサルやゴリラについていや進化について考えないといけない。しかも食事も違うわけだし。そして筆者は4足歩行をするための義足を着け、草を消化するための方法を考え出し、ヤギの群れに混じって行動し、アルプスを実際に越えたのだ。たくさんの協力者の力を借りて。

イベリコ豚を買うのはお金さえあれば買うこともできるだろう。でも、買ったものがホンモノのイベリコ豚かなんて食品偽装なんてされたり、ビールと発泡酒・第三のビールのように法的な定義が入り無知なら見た目で分からないこともあるだろう。口蹄疫や鳥インフルエンザなど疫病がはやると簡単には農場には入れない。当たり前だけどそんな問題も単に金額通り輸入された商品を買って食べて美味しいと言うだけなら想像もできないだろう。筆者は最終的にスペインへ行き、農場の人と知り合い、輸入し、加工し捌くまで達成して真の「イベリコ豚を買う」ことを実践した。たくさんの協力者の力を借りて。

ヤギになった筆者はイグノーベル賞を貰い、イベリコ豚を買った筆者はスペインで確固たる信用を得て感謝された。

どんな小さなことでも深く知ろうとした瞬間にとんでもない勉強と作業が必要になる。それには近道が無いけど走り切ると知った知識と経験は汎用性の高い応用が利く一生使えるモノになる。それを改めて教えてくれるような2冊でした。
美味しいイベリコ豚を食べながらヤギのプロジェクトのような面白いことでも考えるか。そういう行動は早い方ですけどなにか。。。!?

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