水曜日, 1月 26, 2011

書評2(その44)

ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院 [新書]
著:水月 昭道
出版社(発売日):光文社 (2010/9/17)

タイトルの通り自身が身を置く世界に関する本です。
自分の仕事におけるスタンスや自分の置かれている状況を考慮した上で感じたコメントに以下なります。

第一部に関しては読みながら腹が立ってきたのが正直な感想です。
・僕には文系と理系の院というものがごっちゃになってるんちゃう!?
・外部からの院生がいじめに合う!?僕の研究室はほとんどが外部だったし、周りにも結構居るし。
・給料の話が出てきますが、この世界でお金を儲けようって思うほうがと思ったり。
・自分が去年の卒業式で感じた群の中の点で僕述べたように博士を得ることで満足した人なのかな、この筆者は。
・不遇を言う前にこの人はどんな研究をしているのだろう。
などなど、読んでいてまぁ自分との齟齬を感じました。

しかし2部を読み出してふと、「自分は今のところ恵まれているしなぁー」と思うと相対化して読めるようになりました。
多くの人が「博士」に希望を持ち進学したのも事実。それを利用した教員もいるやろうし。現在、次の職探しで困っている人もいるはず。
そう、この人は嘘は絶対に書いていないわけで、なぜそうなったのかを考える必要があると。つまりは教育問題と科学技術行政に対して問わないといけない。

筆者は得度(分かりやすく言うならお坊さんになること)し仏教的な視野から今の置かれている状況と向き合ってこの問題に取り組んでいはるんやと。

そう思うととても腑に落ちる問題提起のされた文章に思えてきました。

学問というものと職業というもの。自分を表現する方法としての仕事。
ふと自分を省みると、この本で指摘されているような「よくない動機」で自分は院進学を選ばずに、ぼんやりだけど院に対して上手く向き合えていたのかなと思います。それには周りの方々の助言があってなので、改め自分はラッキーだと。

これは博士の処遇だけでなく、大学・大学院問題や教育問題など視点を変えるといろいろな議論が出来る本ではと思います。

機会があれば筆者の方と話してみたく思いますね~。
さぁ、明日はわが身がんばりましょう!!
といいながらちょっと朝から飲みたい気分(アカンやん!!)

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