月曜日, 11月 22, 2021

2021年 6-7 冊目 (358-359)

嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか 単行本 
鈴木 忠平 (著)
文藝春秋 (2021/9/24)

落合博満論 (集英社新書) 新書 
ねじめ 正一  (著)
集英社 (2021/6/17)

魅力のある人と聞くとポジティブなキラキラしたイメージを抱きがちだが、実際は印象的といった外見的なものではなく言動や行動だったりその人の本質からにじみ出る人間性に触発される部分が多いのではないだろうか。

落合博満。以前からこの人物の持つ考え方や視点に興味があって彼の著書「采配」を読んだことはあるし、彼の下で仕事をした今中さんの「中日ドラゴンズ論」やその他の野球関連本「「二番打者組織論―チーム、集団のキーマンは、三番でも四番でもない」「2番打者論」という書籍の感想に「落合監督」を意識していた文章を書いていることを過去の自分のエントリーを見直して気づいた。なにより彼のインタビューや対談など結構な動画を観漁っていた。ねじめさんの本の冒頭に出てくる西武の山川選手と落合さんの一連のやりとりもほぼリアルタイムで見たのではないだろうか。ある意味でそこそこの「落合信者」である。それは僕にとって落合博満は魅力的なのだ。野球というスポーツの持つメンタル性や組織性、そのた技術論にそもそもの興味が元来あるのでそうなったのかもしれないが。

そんな僕が言えること。「やっぱり真実は本人にしか知らない」ということである。
鈴木 忠平さんは一連の清原和博さんに関する本の著者として認識があったので「清原さんの次は落合さんか」と思って読み始めた。するとどうだろう、鈴木さんのキャリアの足跡をなぞるように落合博満が存在し2人の関係性から零れ落ちてくる「リアル」が知らなかった落合博満の話なのである。各章でフォーカスされる個人と落合博満。ねじめさんと落合博満。

スポーツニュース内の野球の試合結果はダイジェストである。2,3時間ある試合が1分ほどに纏められる。画像編集者によって選ばれた1分とナレーターの音声。ところが野球結果放送の老舗・プロ野球ニュースで扱われる元選手の解説付きの長めの映像。
両者の事実には含まれる真実の量が異なるために受ける印象が全く違う。楽天・田中将大投手のシーズン最終戦でのピッチングに際して感じたことである。

現代における最大の課題「事実と真実の見極」
落合博満の事実を知れば知るほど真実が知りたくなる。なぜか?それはどうやったらあんな実績や結果を残せるのか知りたいからだ。現象には必ず理由がある。
それは彼にしか当てはまらない事なのかもしれないし、普遍性があるのかもしれない。
魅力は纏うものではなく滲み出てくるもの。そしてそれに惹かれた者を不幸にするかもしれない。ああ恐ろしやオレ流よ!!

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