月曜日, 3月 29, 2010

書評 その11

水関連3連発と言っていましたが、少し箸休めと言った感じで。

豚インフルエンザの真実―人間とパンデミックの果てなき戦い(新書)
著:外岡 立人
出版社(発売日):幻冬舎 (2009/06)

筆者はインフルエンザ問題のスペシャリストで、たかじんの委員会にもよく出ておられました。
あのパニック的騒動からもう一年という月日が経ち、みんな忘れていませんか?
あの騒ぎを振り返りながら読むと面白いと思います。

インフルエンザを含めた感染症(エイズもこれ)の歴史が整理されています。
その中で面白かったのが、先日大阪歴史博物館で行われていたチベット展に行った時に学んだこととのリンク。
実は仏像の手の形には5種類ほど型があって、そのそれぞれに意味があるそうです。
奈良の大仏のあの形は「利益」を意味する型だそうです。
その際、あの当時国民に利益をと言う思いで、あの型になったのかなと思っていました。
そして、僕は知らなかったのですがこの本によると、大仏建立の前に天然痘が大流行しあまたの人が亡くなったそうです。この疫病が大仏建設のきっかけになったそうです。
そう、だからきっとあの形の手になったんだなって!!

次に、情報の公開について。WHOや世界の関連機関の発表する情報と日本で流れる情報についての分析。
ワクチンに対する考え。中国では鳥にワクチンを打ってあるから大丈夫って言ったんですって。ワクチンは物質だけどウイルスは変化・変異をするものですし…。

などなど読みやすくとても面白い本でした。

水関連の箸休めなので、水とのリンクも。
インフルエンザ行政も現在はどうか分からないですが、縦割りみたいです。
人への対策:厚生労働省/家禽(主として鶏やアヒル):農水省/野鳥:環境省
感染経路は繋がっているので…。水行政と同じですね。
あと、食糧備蓄の話題が当時も出たと思います。1週間分の食料や飲料水。
飲料水…。
水道から安全な水が出ると言うのは、この備蓄に関してはまだ安心ではないですか?
水はやっぱりインフラです。

あの出来事をしっかり検証して政府は今後に生かして欲しいですね。
僕らもやけど…。

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