土曜日, 12月 26, 2015

41冊目2015(227)

餃子の王将社長射殺事件 単行本
一橋 文哉  (著)
KADOKAWA/角川書店 (2014/11/28)

12月中ごろに少し新たな情報が出ましたが未だに色々と謎の多い未解決事件です。
ちなみにそのニュースと関連することはこの本の中で言及されていたと言うことは補足しておきます。

色んな視点でこの本は楽しめるかもしれません。
警察がどのように事件を捜査するのか。暴対法による闇社会の変化。中国マフィアの実情と中国の実態。無関係のようなニュースや事件の繋がり。などなど。

でも一番グッと引き込まれるのは「王将がどのように発展したか」だと思います。
マーケティング、ユニークなサービス、社員教育など参考になるような成功例が溢れています。
ただその反面、急激な成長と言うのは歪を生み「ブラック企業」といわれても仕方ない側面も多々読み取れました。
経営者側の熱と社員の熱。上に立つと言う意味と働くと言う意味。一見すれば普通な対を成すものなのですが「世代間の持つ考え方」が掛け合わさるとねじれが生じる。もちろん経営者も代替わりがあり、それによる世代間や個人の考え方の影響も反映される。
これらの齟齬の積み重ねが「ブラック企業」となり、今回の事件に繋がったのかもなど思ってしまいました。そして筆者はこれを「企業テロ」と括っています。

真相を読み解くには上に挙げた色んな視点から辿っていかないといけない。生きるということは同時にどう反応するか分からないプロッティングを知らず知らず埋め込んでいるのだと思い知らされました。
創業者自身から現在の「王将」という存在そのものが産んでしまった射殺事件かもしれません。

グローバル化は否応無しに世界のルールで迫ってきます。今回の場合は中国が関連国でしたが、TPPによってこの手の「ルールの主導権」問題は見えないところで起こるのかもしれませんね。

あと確実に言える事。途中で絶対に餃子が食べたくなります。。。

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