火曜日, 7月 24, 2018

2018年19冊目(312)

納豆に砂糖を入れますか?: ニッポン食文化の境界線 (新潮文庫)
野瀬 泰申 (著)
新潮社 (2013/9/28)

食文化の広さ深さを知れます。
という細かい文化の描写で示すにはもったいない本だと思った。
その面白さは2つある。

1つ目。各項のニュースソースはネットを経由した読者からの投稿に重きがあるということ。集合知である。単にそれだけだと、わりと散見できるネットコミュニティーの話になってしまう。ここで忘れてはいけないのは、その読者のコミット欲求をくすぐる筆者の問い設定だと思う。AIが仕事を奪うという話はよく聞くが、この本で出されてる問いの設定と、読者の「自分の知の共有によって得られるフィードバックの可視化」が面白さのエッセンスでは。

2つ目。最終稿に実際に筆者が旅に出る中で問いを実際に解いて行く作業。
言ううならば枕が効いての本文である。その実体験の中に描かれる食の境界であり飛び地に歴史や繋がりを体感するのである。

もしこれらの作業が以前に読んだ方言の本にあればと思った。
面白さとは問いの設定であり、設問の解き方のライブ感なんだなと。
改めて自分の仕事にもつかえそうだなと、今この文章を書きながらニヤニヤしたのでした。その場の閃きかよ!!

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