水曜日, 10月 10, 2018

2018年29冊目(322) + 本と映画

自分の中に孤独を抱け (青春文庫)
岡本 太郎  (著)
青春出版社 (2017/4/8)

予定では並行して読んでいる磯崎新さんの本と一緒に感想を書こうと思ってました(磯崎さんのはまだ読み切れていない)。建築家と芸術家。似て非ぬけどある種の交換可能に感じる2つの職。その二を並行して読むことで何か面白いものを感じれるのではと。が変更することにしました。予めだったから。一緒に書き記したい本と映画に今関係する気がしたから。

僕はあまり映画を見る機会を持ててなくてよく映画の話になるとついて行けないことが多い。この一か月ほど長時間の飛行機移動が多く、その中で普段は観ない映画をたまにはと観たのがきっかけで12時間のフライトで4本観たりで計15本も観てしまっている。快挙だ。新作から一世代前のまで。名前は知ってるけど観てなかったのを割とみた。
本を読むのは好きだけど、自分の中で考え消費して落とし込むことが殆どで、人と同じ本について語り合う事などめったにない。人がどんな本を読んでるかなんてよっぽどでないと分からないのが基本で、有名なもしくは売れた小説など以外は「読んだ?」などと聞くことはめったにない。
それと違って映画はなぜか話題になる。時に観てない方が珍しいことも。映画は見た感想を割と気楽に話し時に議論したりで深く共有することが出来る事が多いように思う。評論などでも映画の引用は本よりもされやすいように感じる。AIや広告の最適化の例として「マイノリティーレポート」が引用されているのをよく目にしていたけど、正直昨日初めて観た。これが2002年に2054年の未来として描かれていることに驚いた。なぜなら一部はすでに現実社会に存在している。当時の演者は演じながらどのような感じだったのか気になる。
今回15本も観て映画の持つメッセージ性や問題提起の力をとても感じた。そしてそれが友人や人と話す共通の材料になりうる。本を読んで発する言葉も映画を見て発する言葉も内から出るものだけど、それが人にリーチして返りがあるというの上での映画の価値はおもしろい。

そして、この岡本太郎さんの著書。遮二無二生きろ。現状維持せず進め。悩みもがけ。世間の常識や権威を疑え。自分と何か考え詰めてろ。どう生きたいか思い描けそして実現ししてしまえ。怒号のような彼の声が聞こえてきそうです。実際に彼はその筋を通そうと懸命に生きた。芸術家というより活動家だったのかもしれない。166ページから「受け身でなく、積極的な気構えで鑑賞する」とういテーマが始まる。そして次の項では「すなわち鑑賞する、味わうというのは、実は価値を創造することなんだよ」と。映画や本の読み方で己の価値・解釈を作ってみろと。映画によって僕が感じた人々との語らいはこの作業があってこそで、その会話を通じまたさらに自分と向き合う。それは岡本太郎が求める闘争の一つであってよいはず。

日本にいる日本人もきっとそのように生きているんだと思う。でも外から自国をみたらいい。外に自国を語ればいい。出来るなら。世界と話せるのがすごいんじゃなくて、考える上で世界も参考にできることが一歩であると思いたい。それらをつなぐからメディアなのだろう。メディアを使い倒してやりたいなと。その1つ映画を見る時間を増やしたいなと思ったついこの頃でした。はい、ピンク映画ももちろんです。

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