水曜日, 11月 21, 2018

2018年32冊目(325)

スター・ウォーズによると世界は 単行本
キャス・R. サンスティーン  (著), Cass R. Sunstein (原著), 山形 浩生 (翻訳)
早川書房 (2017/11/21)

常々サブカルチャーは時代を反映するものだと感じてきた。それは作品群がどのような影響を受けたかを時代の変遷と重ねながら論考する色んな本を読んできたからだと思う。ウルトラマンや仮面ライダーシリーズなどを扱った本。食文化やアニメなどに関するのもあった。
そんな中、継続する作品として長きに渡り(現在も進行形で)世代を超えて語られるこのスターウォーズに関するこの本は正直他とは違う印象を感じた。

著者がこの物語の面白さや深さをあの手この手と多角的に解釈してゆく。マーケティング、政治経済、憲法論、文化論に道徳・宗教・家族論。逆にスターウォーズを使っていろんな出来事の理解にも使うという。となんとも守備範囲が広い。大谷選手ではないがまるで投げても打ってもである。メタファーにアナロジーに。隠喩的な解釈の仕方が多彩にできてしまうのだ。はじめに(P15)にある「スターウォーズは現代の神話である」というのがそれの象徴かも知れない。

現代の政治状況を理解するにはとて良い教材のように僕は感じた。トランプ大統領は生まれてしまったダースベイダーなんて視点で話を書けそうだし、実際に本の中ではレーガン革命や2008年のオバマ陣営の選挙戦をスターウォーズで説明しているし、実際なるほど思って読んだ。

ではジョージルーカスが最初からこの神話をすべて書いたのか?そこがミソで
ある。最初の構想がよかったのは間違いないが、よいオチに沿ってストーリーが膨らんでいった側面も間違いなくあったと思う。まるでお題に応える大喜利のように。だからこそ人々はこの話で「ああだったら」と2次創作で楽しむこともできるのかもしれない。

ここまで来て何が言いたいかと言えば、スターウォーズすげー!って事ではない(すごいのは事実やけど)。
最初のエピソード4が公開されたのが1977年。そして最新作は2017年。伝統を守りつつ最新の技術を加えながら40年も続く話だからそれだけ接点があるのだろう。かつ時代も廻ってきたんのだろう。

こんなモノを今後どうやって作るか。今後も残すか、いや残せるか。
商いにも研究にも創作にも文化にも応用できるのではないかと。物語や理念など言われるがそれは作るのか生まれるのか。そういった視点に目を向けるために今一度スターウォーズなのかもしれない。僕そう思ったのだ。
敢えて言うと、今も続いているキン肉マンは日本のスターウォーズなのかもしれないと思ったの事を最後に加えておきたい。

一日で全話コンプしたいけど飲みながら観たくなると思うと。。。
僕にフォースを!!

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