木曜日, 1月 17, 2019

2019年1冊目(329)

生涯投資家 (文春e-book) Kindle版
村上世彰  (著)
文藝春秋 (2017/6/21)

時代の寵児的にホリエモンさんと同時期に世間をある意味で「騒がした」村上ファンドの村上さんの本。
正直イメージは良くなくて何となく上から来るような感じの方かなと。ただ、やっぱり当時はメディアの報道に踊らされて一体あれは何だったのか知らない事が多すぎるので、当事者のバイアスはあるだろうけど手に取る必要があると。

やっぱり生まれ育つ環境というのはその人の人生に影響を与える可能性が相当に高い要素なのだと。家庭の関係で小さい時から投資が側にあった環境。それに伴って進み道から生まれる人脈のクラスター。これは想像が出来ない人には異次元であるに違いないです。

官僚という立場で国をどうするかを経験したうえで実際にプレーヤーとして動くことに決めた経緯。
「企業と投資家・株主との関係性」
この辺りの上場の意味や経営にかんする解説はかなり勉強になりました。
上場と非上場は英語でgoing publicとgoing privateと言う。上場企業は公にさらされる。だから買収もありえる。

なんとも英語の明瞭と日本語の表現の対比に驚きながら、漢字の強みと弱みを感じました。感じを教える上で出来た当時に空気が分からないと伝わらないような語彙が増えてきてるのかもなんて思ったり。脱線おしまし。

そういう点でニッポン放送の一連の出来事を解釈するとなんともホリエモン・村上ファンドの登場は理解できるものになる。阪神電鉄の話も分からないではない。国際化と言いながらシステムが適応できてない。システムをどう変える変えない勝手だけど、変えなくて何か大きな問題が起きても文句言うのは無し。その議論が起きて変えないで通した人は上手く行かなかった時は非を認めて謝る。社会のルールの会社の経営というか、今のご時世にぴったりのような寓話のようです。

そういう意味で、もちろんやり方はもっとあったと思うけど、早すぎた人なのかもと。道半ばな案件が多く本人も実行できず残念という記述が多かったのが印象的でした。描く絵が大きすぎたのかな。
人はたとえ論理的に見て正義だったとしても反発する。感情という正義。
大きい小さいの問題ではないのかもしれないけど確実に思いを実行する・できる難しさでしょうか。独立したりトップに立つ場合に参考になりそうです。

その後の東日本大震災でのNPO支援や「成長無きところに投資は起きない」という言葉を想うに、この方は「パトロン」的に活動されるのがおそらく一番合っていて、今はまさにそうされているのかなと。

昔のサイエンスはパトロン無しには成り立ちませんでした。格差が言われる中でパトロン的な考え方はクラウドファンディングのようなやり方と共に今後の生産活動において大事な視点かもしれないです。

パトロン。この指とーーーまれ!わー、なんでパタリロ来るねん。。。お後がよろしいようで。。。
(キンドル版が一冊目というのが実に面白い。。。)

0 件のコメント: