水曜日, 1月 07, 2015

1冊目2015(188)

ピカソは本当に偉いのか? (新潮新書)
西岡 文彦 (著)
新潮社 (2012/10)

タイトルの通り。その素朴な疑問をピカソ自身の歴史や芸術の歴史などを辿りながら答えを導いていきます。

本当に時代の要請に答えたと言うか、すべての状況が彼のためにあったといっても良いような生き様です。印象派の勃興と一般へ向けて開かれていく美術という意義の遷移、そして美術館の誕生とマーケット。彼は時代の寵児というやつです。ヨーロッパ(スペイン・フランス)という土地柄もあったでしょう。

ただ、そうなりえたのはピカソの腕に他なりません。以前から彼は人物が風景画・静物画すべての先にあの画風「キュビズム」に辿りついたとは聞いていました。しかし、行き着く前にそれを書きえる絶対的な腕が英才教育によって備わっていたという。女性に対するある種の偏癖もそれに拍車をかけたのでしょう。
楽しかった人生ゆえに、楽しすぎたがゆえに、寵児ゆえに、己との葛藤との戦いが人生の終盤だったようにも感じれます。

成功とはなにか。楽しく生きるとはなにか。成功者の物語が生まれた所以と成功者たり得た人物像は現代に通じる部分があるような気もします。
ウルトラクイズの知力体力時の運といった、先天性・後天性・時代背景の局地を感じ自分を省みるいいきっかけとなるのではないのでしょうか。

価値の上に住み、価値と共に生き、価値を作り出した。鋼の錬金術師ですね。
ピカソの生きた時代だからこそピカソが存在しえた。答えになってないような一文ですがそれに集約されている気がします。当時それを機微に感じたピカソの凄さであり、僕にはそれは恐ろしさであり羨望ですが。

さて、タイトルの「ピカソは本当に偉いのか?」ですが、僕の答えとしては、
偉いかどうかは分からん!でも、ピカソはアイドルだった。しかもかなり基礎のしっかりした稀有なアイドル。

きゃー!!ピカソ様!こっち向いて!!目が合った!!きゃー!!
僕もなれる。。。

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