木曜日, 5月 24, 2018

2018年13冊目(306)

日本発「ロボットAI農業」の凄い未来 2020年に激変する国土・GDP・生活 (講談社+α新書)
窪田 新之助 (著)
講談社 (2017/2/21)

AIが仕事を奪うという言説をよく耳にする昨今、是非この農業で起きている変化を知ってほしいと思った。ここで起きていることは農業だけでなく漁業や医療そして一般の職業にも間違いなく波及してくるだろう。それは職を奪うという単純な良い悪いでなく高齢化社会と労働力不足という課題と対峙するために。

以前に「ベテランの勘を数値化することで次世代に伝承できる」というコンセプトで農家との共同プロジェクトで職人さんの判断を具体的なパラメーター(温度や湿度やタンパク量など)に落とし込むプロジェクトの記事を読んだことを思い出しました。

このデータを集めるという作業と解析する作業。ここにビッグデータとディープラーニングの接点。解析したデータ(アイディア)を使うという行為。ここでテクノロジーやIoT (Internet Of Things)との接点。そもそもデータを回収する場面ではこのテクノロジーがビッグデータと接点を持つわけで。要は個々のテクノロジー(ドローンなど)とビッグデータとディープラーニングなどごちゃまぜにしてAIと見なさいこと。個々の良さを上手く融合していくことがこの本で議論されているAI農業であると言う。

これによって「増やせること」と「減らせること」が分かるということに意義があるのだと。無駄を減らす・効率化を上げるという最大化に必要な要素を設定する。そして、テクノロジーによる自律があることで今まで使えなかった夜間を活用できるという。

なるほど!確かに!と食い気味になった僕は然るべきだと自分では思ってます。

こう見てくると過去に産業のパラダイムシフトで起きたことが新たに起きるだけだと。蒸気機関により出力がうまれ工場の稼働を上げるために三交代をしたりベルトコンベアが生まれたのと同じで、新たな置き換えの時期なのだと。ここにもちろん法的整備が入ってくるので、僕はよく自衛官の活動の法的根拠で議論されるネガティブリスト的な整備で進んでほしいなと思うのです。

一点不満があるとするなら、「IoTの時代には因果関係の意味が希薄になること。まさしく結論さえわかれば理由はいらないのである。」とある点である(55ページ)。これが意味することは分かるが、やはりこれが進むと根治より対処であるように結局もっとよい解決策を探す事が出来なくなるように僕は思う。これは基礎研究とは言う問題と同じで。この原因の解明にも上記の技術は確実に入ってくると思うので、その部分は捨てて欲しくなかったと思いました。

僕にはここで紹介される技術は人間が成長していく過程で見られる変化と同じように感じました。成長は生き物に与えられた可能性だと思う。なのでAIとどう仲良くなるかを一般の人ももっと考えるべきでないだろうか。自分の仕事にも応用できる部分はないか見つめなおしたいと思います。

果てさてこんな僕は機械は酔っぱらわないのを理由に機会を駆使してもっと酒を楽しむ機会を作れるのか!?なんて。AIが酒を飲んだらどんな風に酔うのだろうか。。。これでこの文章は人の手で書かれていることが証明されたかも。。。

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