ユリイカ 2015年6月号 特集=桂 米朝
月亭可朝 (著), 上岡龍太郎 (著), 桂ざこば (著), 桂米團治 (著) 他多数
青土社 (2015/5/27)
ここ最近、話題に関して事欠かない笑点。色々と調べたり過去の映像を観たりする中で東の噺家さんの事をかなり知る過程でふと西の噺家さんもまだ知ってるようで知らないなと。
そんな時に点が線になるというのか、どういう検索の過程で買ったかまったく覚えていないけど積読になっているこの本の存在を思い出し貪るように読みました。
”桂米朝”という名前。人間国宝。すごい噺家さん。という誰もが知ってる情報の上に枝雀師匠やざこば師匠の師匠でありそれにまつわる小話。つまり人としての米朝師匠が主で、落語に関する情報が完全に抜けてました。
結論から言えば、知らなかったからこそその凄さと偉大さを十二分に感じることができました。
落語の奥に広がる博学さや人間としての立ち居振る舞いなど。稀有な人。憧れてしまいました。
あと、噺家さんという職業の深さというか味というか。人の話をするがゆえ人と人との繋がり滲み出るのかなと。誰が弟子になるのか、どの師匠に付くのかなど。偶然の出会いにも実は知らないところや無意識のうちにしっかり伏線が脹られて回収のその時しか僕たちは目に止めれないんでしょうね。時は流れていきますし。上方落語の命を繋ぎ止めた米朝師匠。そんな図書館のような師匠だから色取り取りのお弟子さんが出られたんだと。そしてその才の芽を摘むことなく育てれたという懐。憧れてしまいましたよ。
化学反応を起こすための濃さ、許容度と耐久性。日本に甚大なる被害を与えた原子爆弾のメカニクスのように。そしてその戦争によって空前のともし火となった上方落語を同じようなシステムを自己の中に内蔵した師匠の登場で復興する。嘘のような小話のような話。時代を生きるとはこういうことなのかもしれませんね。
僕も一席ちゃんと覚えてみようかな。その時の師匠は?時代の流れで昇太師匠?円楽師匠?って東に行くのかい!!
0 件のコメント:
コメントを投稿