金曜日, 6月 30, 2017

2017年16, 17冊目(276,277)

科学の扉をノックする (集英社文庫)
小川 洋子  (著)
集英社 (2011/3/18)

科学者の話ってなんて面白いんだろう - メタンハイドレートの対論会場へようこそ
青山 千春 (著)
ワニブックス (2017/4/27)

いち研究者のはしくれとして自分のやっている仕事や研究・サイエンスの面白味を一般の人に伝えるにはどうしたらええんかいなーと結構考えたりします。
僕の場合は面白おかしく例えを入れながら笑いと感覚的な部分でおもしろそうやなと思ってもらえるように心がけます。
ただそのあと自分自身でサイエンスに触れようという行動や意識を持ってもらえるかが実はもっと大事な部分なんです。
そんな中この2冊はそのトリガーを引くきっかけにはとても良い参考書だなと思って一緒に記すことにしました。

面白さの伝え方は2通り
1)科学に興味を持った人が科学の面白さを引き出す
2)話の巧い科学者が面白く伝える

1)が小川さんの本で2)が青山さんの本です。

僕が物心ついた後に初めて自分の意思で小説を買ったのは小川さんの「博士の愛した数式」でした(本当に読書に目覚めたのは20代半ばからなんです。。。)。
そこに描かれている”数字”の奥深さ。研究に足を突っ込んだ新米院生がこの本で数学に興味を持ちました。小川さんが数学から抽出したエッセンスを小説に反映される技術。改めてこの本を読んで痛感しました。インプットとアウトプット。表現の面白さは美しさも必要なんです。実感できます。小川さんという唯一無二の存在がサイエンスのキュレーターであってくれることにニヤニヤしました。ありがとうございます。

青山さんがメタンハイドレートを世に広める過程を僕は幸い初期からフォロー出来ていました。青山さんというこの場合には著者の千春博士よりも繁晴さん(現・参議院議員)の影響が大きいです。でもいつもフェアに奥さんである千春さんの仕事を説明する繁晴さんの姿は人が勘ぐりそうな贔屓目を消しつつ滲み出る愛情でした。僕はいつも「ええなーーー!」って思っていました。言うならばメタンハイドレートの広告塔の本と思われる可能性が大です。そこで科学者の話の面白さの力を垣間見れます。芸人さんは不真面目、科学者は糞真面目。そんな人はいるかもしれないけど僕はそうでないと思います。僕は。人を笑わせるって本当に難しいだから真面目に笑わせる事を考えている。人と違う発想をするから発見に繋がるなら不真面目な概念がないと奇想天外なチャレンジは出来ない。科学者が科学者の面白を引き出してくれてます!

みんな笑いたいしふざけたい。でもできない局面もある。
それを職業等で縛って欲しくない。科学という自由な空間では特に。
僕も何とか伝えたいけど説得力がない。それをこの2冊は完全にカバーしてくれてます。
良かったら是非読んでみてください。
えっ!?僕と話したい!?ビール一杯奢ってくれるならいつでも。。。

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