火曜日, 1月 14, 2014

読んだ本・その4(147)

福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2 [単行本(ソフトカバー)]
東 浩紀 (著, 編集), 開沼 博 (著), 津田 大介 (著), 速水 健朗 (著), 藤村 龍至 (著), 清水 亮 (著), 梅沢 和木 (著), 井出 明 (著), 猪瀬 直樹 (著), 堀江 貴文 (著), 八谷 和彦 (著), 八束 はじめ (著), 久田 将義 (著), 駒崎 弘樹 (著), 五十嵐 太郎 (著), 渡邉 英徳 (著), 石崎 芳行 (著), 上田 洋子 (著)
ゲンロン (2013/11/15)

タイトルだけを見るとなんとも刺激的な計画で遊園地でも作るのか!?といった印象を受けるかもしれませんが、これはある意味でのタイトルから問題提起をしていると考えて下さい。

この本で書かれているのは、10年後20年後もっと先の将来の福島第一原発とその周辺をどういう計画の下で復興そして発展させるのか、どうやって人間の持つ忘却や風化とどう向き合うのかを提案した企画書だと思えばすっと入ってくるのではないでしょうか。

モデルとして今現在チェルノブイリがどうなっているのかを丹念に取材した上で、ダークツーリズムとは何かといった考察を深め、原爆ドームの保存に見られる都市計画を調査して出された計画なので僕はかなりこの案を全面的に応援したいなと思いました。
「福島に動員は必要か?」という鼎談で、建築や都市計画と人の移動からそれらの持つ本質的・科学的な意味へアプローチしていく議論がとてもおもしろかった。

冒頭に述べた観光という言葉に関して補足すると、911後のニューヨークにできたグラウンドゼロ、ワシントンDCのスミソニアンエリアにあるホロコースト博物館、日本で言えば広島の原爆ドームを代表とする大東亜戦争に関するもの。これは多分さっと思いつくものだけで、世界中にはこういったダークツーリズム的な観光地は結構あって、たくさんの人々が訪れているのは事実なのです。僕自身、上記の3つすべてに観光で出かけているんですよねー。
以前読んだ宗教とツーリズムという本の中で取り上げられちょっと関心を持ったこのダークツーリズムと言う言葉。そういった意味で福島の将来を考える上でこのダークツーリズムは間違いなくキーワードになるし、考えていかないといけない課題だと思いました。観光って単に心ときめくだけでなく、日ごろ感じる事の出来ない心の慟哭を経験するのも、その定義としてありうるんだなと。

でも、こんなアイディアまず政治家・官僚からは出ないでしょうね。出たとしてもこのタイトルはまず付け無いでしょう。それをやっちゃった東浩紀さんを始めとするみなさん。ずばらしいっす!観光地化する前の福島に足を運ぶことを早いうちにしなければと切に思うのでした。。。お金ためな。。。ビール控えな。。。


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